![]()
はじめに
建設業許可の6要件を満たし、申請書類を完璧に作成しても、申請手続きの流れを理解していなければ、スムーズな許可取得は困難です。提出先の判断ミス、予備審査の活用漏れ、手数料の納付方法の誤り、補正対応の遅延など、手続き面での失敗が審査の遅延や許可取得の失敗につながるケースは少なくありません。
特に、都道府県知事許可と国土交通大臣許可では、提出先、審査期間、手数料が大きく異なります。知事許可は30〜45日程度で許可が下りますが、大臣許可は90〜120日程度かかります。また、予備審査制度の有無、補正対応の方法、許可通知書の交付方法も、都道府県により運用が異なります。
本記事では、建設業許可申請の手続きを、事前準備から許可通知書の受領、許可後の手続きまで、時系列で詳しく解説します。審査での確認ポイント、補正対応の実務、手数料の納付方法、実務上のタイムスケジュールまで網羅し、初めての申請でも迷わず進められるよう、実務目線でお伝えします。
![建設業許可申請の流れ]()
この記事で使う主な書式
申請手続きでは、「(特典付き)行政書士開業セット」の中の以下の書式を使用します。これらの書式は申請書本体に添付する補足書類として重要です。
補足書類(031〜033)
- 031 営業の沿革(様式第20号) - 会社設立からの沿革を記載
- 032 所属建設業者団体(様式第20号の2) - 加盟している建設業者団体名
- 033 主要取引金融機関名(様式第20号の3) - 主要な取引銀行を記載
手数料納付用
- 005 証紙等はり付け欄 - 都道府県収入証紙を貼付(知事許可の場合)または収入印紙・登録免許税領収証書を貼付(大臣許可の場合)
これらの書式は、申請の際に必ず提出が必要です。特に031の営業の沿革は、会社の歴史を審査側に理解してもらうための重要書類です。
![建設業許可申請の流れ]()
1. 建設業許可申請の全体フロー
建設業許可申請は、以下の流れで進みます。全体像を把握することで、各段階で何をすべきか明確になります。
1-1. 申請から許可までの8ステップ
![建設業許可申請の流れ]()
STEP 1:事前準備(申請2〜3ヶ月前)
- 6要件の確認
- 必要書類のリストアップ
- 書類収集の開始
STEP 2:申請書類の作成(申請1〜2ヶ月前)
- 001〜037の書式作成
- 添付書類の準備
- 書類の整合性チェック
STEP 3:提出先の確認
- 知事許可:都道府県の建設業許可窓口
- 大臣許可:地方整備局
STEP 4:予備審査(都道府県により有無が異なる)
STEP 5:本申請の提出
STEP 6:審査(30〜120日)
STEP 7:許可通知書の受領
STEP 8:許可後の手続き
- 許可証の掲示
- 変更届の提出体制整備
- 決算変更届の準備
1-2. 都道府県知事許可と国土交通大臣許可の違い
| 項目 |
都道府県知事許可 |
国土交通大臣許可 |
| 提出先 |
都道府県の建設業許可窓口 |
地方整備局(本店所在地管轄) |
| 審査期間 |
30〜45日程度 |
90〜120日程度 |
| 手数料(新規:一般または特定) |
9万円 |
15万円(登録免許税) |
| 手数料(新規:一般と特定の両方) |
18万円 |
30万円(登録免許税) |
| 予備審査 |
都道府県により有無が異なる |
通常なし |
| 許可通知 |
都道府県から通知 |
地方整備局から通知 |
1-3. 申請区分による違い
| 申請区分 |
手数料(知事許可) |
手数料(大臣許可) |
| 新規(一般または特定) |
9万円 |
15万円(登録免許税) |
| 新規(一般と特定の両方) |
18万円 |
30万円(登録免許税) |
| 許可換え新規(一般または特定) |
9万円 |
15万円(登録免許税) |
| 許可換え新規(一般と特定の両方) |
18万円 |
30万円(登録免許税) |
| 般・特新規 |
9万円 |
15万円(登録免許税) |
| 業種追加 |
5万円 |
5万円(収入印紙) |
| 更新 |
5万円 |
5万円(収入印紙) |
2. STEP 1:事前準備(申請2〜3ヶ月前)
![建設業許可申請の流れ]()
2-1. 6要件の確認
申請手続きの第一歩は、6要件をすべて満たしているかの確認です。
確認方法:
- チェックリスト001(一般建設業)またはチェックリスト002(特定建設業)を使用
- 各要件について詳細に確認
6要件:
- 経営業務の管理責任者等の設置
- 営業所ごとの専任技術者の設置
- 誠実性
- 財産的基礎
- 欠格要件に非該当
- 適正な社会保険への加入
実務のポイント:
- 1つでも満たしていない要件があれば、許可は受けられない
- 不足している要件があれば、まず対応策を検討
- 例:専技が不足 → 資格取得、実務経験証明、他社からの転職等
2-2. 必要書類のリストアップ
必要書類の確認:
- チェックリスト004(建設業許可申請に必要な書類チェックリスト)を使用
- 申請区分、法人・個人、業種数等により必要書類が異なる
主な必要書類:
- 申請書式:001〜037のうち該当するもの
- 登記事項証明書(法人)
- 身分証明書、登記されていないことの証明書(役員等全員分)
- 資格者証、卒業証明書(専技)
- 確定申告書、財務諸表
- 残高証明書(自己資本500万円未満の場合)
- 健康保険証のコピーまたは社会保険関係書類
2-3. 書類収集の開始
収集スケジュール:
申請2.5ヶ月前:
- 遠方の身分証明書を郵送で取得開始
- 登記されていないことの証明書を郵送で取得開始
- 卒業証明書の取得開始
申請1ヶ月前:
- 登記事項証明書の取得
- 近隣の身分証明書の取得
- 健康保険証のコピー
申請直前(1週間前):
3. STEP 2:申請書類の作成(申請1〜2ヶ月前)
3-1. 申請書式の作成順序
![建設業許可申請の流れ]()
推奨される作成順序:
@基本情報の整理
- 申請区分、許可区分、業種の確定
- 営業所の確認
- 役員、専技の確認
A001 建設業許可申請書の作成
B関連書式の作成
- 002 役員一覧表
- 003/004 営業所一覧表
- 006 専任技術者一覧表
- 007 工事経歴書
- 008 工事施工金額
- 009 使用人数
- 010 誓約書
C経管・専技の証明書類
- 011または012(経管証明)
- 013〜015(経管の略歴書)
- 017 専任技術者証明書
- 018 実務経験証明書(該当者のみ)
- 019 指導監督的実務経験証明書(特定建設業のみ)
Dその他の書式
- 016 健康保険等の加入状況
- 020 使用人の一覧表(該当者のみ)
- 021〜023 調書
- 024〜030 財務諸表
- 031〜033 補足書類
3-2. 031〜033の補足書類の作成
![建設業許可申請の流れ]()
031 営業の沿革(様式第20号)
営業の沿革は、会社設立からの沿革を時系列で記載する書式です。
記入内容:
法人の場合:
- 設立年月日
- 資本金の増資
- 商号変更
- 本店移転
- 営業所の開設・廃止
- 建設業許可の取得・更新
- 主要な事業の変更
個人の場合:
- 開業年月日
- 営業所の開設・廃止
- 建設業許可の取得・更新
- 主要な事業の変更
記入例:
令和○年○月○日 株式会社○○建設設立(資本金300万円)
令和○年○月○日 資本金を500万円に増資
令和○年○月○日 本店を東京都新宿区から東京都渋谷区に移転
令和○年○月○日 建設業許可取得(東京都知事許可(般-○)第○○号)
令和○年○月○日 神奈川県横浜市に支店開設
令和○年○月○日 建設業許可を国土交通大臣許可に許可換え
実務のポイント:
- 時系列で記載(古い順)
- 主要な出来事を簡潔に記載
- 登記簿謄本の内容と整合させる
032 所属建設業者団体(様式第20号の2)
所属建設業者団体は、加盟している建設業者団体名を記載する書式です。
記入内容:
- 建設業協会
- 建築業協会
- 建設専門工事業団体連合会
- その他の建設業者団体
記入例:
一般社団法人○○県建設業協会
実務のポイント:
- 加盟していない場合は「なし」と記載
- 複数の団体に加盟している場合は、すべて記載
033 主要取引金融機関名(様式第20号の3)
主要取引金融機関名は、主要な取引銀行を記載する書式です。
記入内容:
記入例:
実務のポイント:
- メインバンクを記載
- 複数ある場合は、取引額の大きい順に記載
- 預金口座だけでなく、融資取引がある金融機関を優先
3-3. 書類の整合性チェック
チェックポイント:
- □ 001の申請業種と006の専技一覧が一致
- □ 003/004の営業所と006の専技配置が一致
- □ 002の役員と011または012の経管証明が一致
- □ 007の工事経歴と008の施工金額が整合
- □ 008の合計と025の完成工事高が一致
- □ 商号、本店所在地が登記簿と一致
- □ 役員の氏名・役職が登記簿と一致
- □ すべての書式で同一印鑑を使用
- □ 旧字体・新字体の統一
- □ 住所表記の統一
4. STEP 3:提出先の確認
![建設業許可申請の流れ]()
4-1. 都道府県知事許可の提出先
提出先:
- 都道府県の建設業許可担当窓口
- 都道府県により名称が異なる(建設業課、土木部、都市整備局等)
提出方法:
- 窓口持参(原則)
- 郵送可の都道府県もあり(事前確認必須)
提出時間:
- 平日の開庁時間(通常9:00〜17:00、都道府県により異なる)
- 昼休み(12:00〜13:00)は受付していない場合あり
実務のポイント:
- 事前に窓口の場所、受付時間を確認
- 予約が必要な都道府県もあり
- 繁忙期(年度末3月、年度初め4月)は混雑するため、早めの提出を
4-2. 国土交通大臣許可の提出先
提出先:
地方整備局の管轄:
- 関東地方整備局:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野
- 北海道開発局:北海道
- 東北地方整備局:青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
- 北陸地方整備局:新潟、富山、石川
- 中部地方整備局:岐阜、静岡、愛知、三重
- 近畿地方整備局:福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
- 中国地方整備局:鳥取、島根、岡山、広島、山口
- 四国地方整備局:徳島、香川、愛媛、高知
- 九州地方整備局:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
- 沖縄総合事務局:沖縄
提出方法:
- 窓口持参または郵送
- 地方整備局により異なるため、事前確認必須
5. STEP 4:予備審査(都道府県により有無が異なる)
![建設業許可申請の流れ]()
5-1. 予備審査とは
予備審査:
- 本申請の前に、申請書類を事前に提出し、不備をチェックしてもらう制度
- 都道府県により有無が異なる
予備審査がある都道府県の例:
- 各都道府県の手引きで確認が必要(具体的な都道府県名については、事前に申請先の建設業許可窓口に確認してください)
予備審査がない都道府県の例:
- 各都道府県の手引きで確認が必要(いきなり本申請を提出)
5-2. 予備審査のメリット
メリット:
- 本申請前に不備を発見できる
- 補正指摘を受けて修正できる
- 本申請時の審査がスムーズになる
デメリット:
- 予備審査に時間がかかる(1〜2週間程度)
- 全体のスケジュールが長くなる
5-3. 予備審査の流れ
@予備審査用の書類を提出
A審査(1〜2週間)
B補正対応
C予備審査合格
実務のポイント:
- 予備審査の有無、手続きは都道府県により異なる
- 申請前に必ず都道府県の手引きで確認
- 予備審査がある場合は、活用することで本申請がスムーズになる
6. STEP 5:本申請の提出
![建設業許可申請の流れ]()
6-1. 提出書類の確認
最終チェック:
- □ 申請書式:001〜037のうち該当するもの
- □ 添付書類:登記簿、身分証明書、資格者証等
- □ 正本・副本の部数確認(都道府県により異なる)
- □ 有効期限の確認(登記簿、身分証明書:3ヶ月以内等)
- □ 書類の整合性
- □ 押印漏れ
- □ 記入漏れ
6-2. 提出時の持参物
必要なもの:
- 申請書類一式(正本・副本)
- 手数料(収入証紙、現金、振込等、都道府県により異なる)
- 身分証明書(行政書士の場合は行政書士証票)
- 委任状(代理人が提出する場合)
6-3. 窓口での受付
受付の流れ:
@書類の提出
A形式審査
- 窓口担当者が書類の体裁をチェック
- 部数、押印、記入漏れ等
B手数料の納付
C受付完了
- 受付番号の付与
- 副本の返却(都道府県により時期が異なる)
実務のポイント:
- 窓口での形式審査は、記載内容の正確性までは確認しない
- 体裁(部数、押印等)のみをチェック
- 実質的な審査は、後日行われる
7. STEP 6:手数料の納付
![建設業許可申請の流れ]()
7-1. 手数料の金額
知事許可(新規):
- 一般建設業のみ:9万円
- 特定建設業のみ:9万円
- 一般と特定の両方:18万円
大臣許可(新規):
- 一般建設業のみ:15万円(登録免許税)
- 特定建設業のみ:15万円(登録免許税)
- 一般と特定の両方:30万円(登録免許税)
その他の申請区分:
- 許可換え新規:知事9万円(または18万円)、大臣15万円(または30万円)
- 般・特新規:知事9万円、大臣15万円
- 業種追加:知事5万円、大臣5万円
- 更新:知事5万円、大臣5万円
7-2. 納付方法
都道府県知事許可の場合
納付方法:
- 都道府県収入証紙(最も一般的)
- 現金納付(都道府県により異なる)
- 振込(都道府県により異なる)
収入証紙の購入場所:
- 都道府県庁内の売店
- 指定の金融機関
- 郵便局(一部都道府県)
貼付方法:
- 005 証紙等はり付け欄に貼付
- 消印は不要(都道府県により異なる)
国土交通大臣許可の場合
納付方法:
- 登録免許税(浦和税務署に直接納入または金融機関経由)
- 収入印紙(別途購入して申請書に貼付)
登録免許税の納入先:
- 浦和税務署
- 日本銀行、日本銀行歳入代理店、ゆうちょ銀行からも納入可
登録免許税の領収証書の貼付方法:
収入印紙の購入場所:
収入印紙の貼付方法:
7-3. 実務のポイント
注意点:
- 知事許可の場合は「都道府県収入証紙」、大臣許可の場合は「登録免許税」と「収入印紙」は別物
- 都道府県収入証紙は、その都道府県でのみ有効
- 間違えて購入しないよう注意
- 金額を間違えないよう注意(一般のみ、特定のみ、両方で金額が異なる)
- 大臣許可で一般と特定の両方を申請する場合は30万円(15万円×2)
返金:
- 申請が不受理となった場合、手数料は返金されない(都道府県により異なる)
- 事前に十分確認してから申請
8. STEP 7:審査(30〜120日)
![建設業許可申請の流れ]()
8-1. 審査期間の目安
| 許可区分 |
申請区分 |
標準処理期間 |
| 知事許可 |
新規 |
30〜45日程度 |
| 知事許可 |
更新 |
30日程度 |
| 知事許可 |
業種追加 |
30〜45日程度 |
| 大臣許可 |
新規 |
90〜120日程度 |
| 大臣許可 |
更新 |
90日程度 |
| 大臣許可 |
業種追加 |
90〜120日程度 |
実務のポイント:
- あくまで目安であり、都道府県・地方整備局により異なる
- 繁忙期(3月、4月)は遅延する可能性
- 補正対応が必要な場合は、更に時間がかかる
8-2. 審査での確認ポイント
6要件の確認:
@経営業務の管理責任者等の設置
- 011または012の証明書の内容確認
- 経験年数が要件を満たすか
- 常勤性の証明
A専任技術者の設置
- 017の証明書の内容確認
- 資格者証の有効性
- 実務経験の証明(018)の妥当性
- 常勤性・専任性の証明
B誠実性
- 010 誓約書の記載内容
- 役員等全員が記名押印しているか
C財産的基礎
- 一般建設業:自己資本500万円以上または残高証明書
- 特定建設業:欠損比率、流動比率、資本金・自己資本の基準
D欠格要件に非該当
- 身分証明書、登記されていないことの証明書
- 略歴書での確認
E社会保険への加入
- 016の記載内容
- 社会保険加入を証明する書類の確認
書類の整合性確認:
- 申請書式間の整合性
- 申請書と添付書類の整合性
- 登記簿との整合性
8-3. 審査中の問い合わせ
問い合わせ方法:
- 電話で審査状況を確認可能(都道府県により対応が異なる)
- 受付番号を伝える
問い合わせのタイミング:
- 標準処理期間を過ぎても連絡がない場合
- 補正対応後、一定期間経過した場合
実務のポイント:
- 頻繁な問い合わせは避ける
- 審査側も多数の申請を処理しているため、標準処理期間内は待つ
9. STEP 8:補正対応の実務
![建設業許可申請の流れ]()
9-1. 補正とは
補正:
- 申請書類に不備があった場合、行政庁から指摘を受けて修正すること
補正の連絡方法:
- 電話(最も一般的)
- 書面(補正指摘書)
- 窓口呼び出し
9-2. よくある補正指摘
書式の記載ミス:
添付書類の不備:
- 有効期限切れ(登記簿が3ヶ月超過等)
- 添付書類の不足
- 不鮮明なコピー
証明の不十分:
- 実務経験の証明が不十分(裏付け資料不足)
- 経験年数の計算ミス
- 常勤性の証明不足
要件不足:
- 専技の資格・経験が申請業種に対応していない
- 財産的基礎が基準未満
- 社会保険未加入
9-3. 補正対応の流れ
@補正指摘を受ける
A補正内容の確認
B修正書類の作成
C補正書類の提出
D再審査
9-4. 補正対応のポイント
迅速な対応:
- 補正依頼を受けたら速やかに対応
- 遅延すると審査が長引く
- 提出期限がある場合は厳守
正確な修正:
- 指摘事項を正確に理解
- 不明点は必ず確認
- 同じミスを他の書式でも犯していないか全体をチェック
記録の保持:
10. STEP 9:許可通知書の受領
![建設業許可申請の流れ]()
10-1. 許可の決定
許可決定の連絡:
- 電話、書面、ホームページ等で通知(都道府県により異なる)
- 許可番号の付与
許可番号の構成:
知事許可の例:
東京都知事許可(般-5)第12345号
- 都道府県名
- 一般/特定の区分(般/特)
- 許可取得または更新した年度(新規は1、1回目の更新で2となるのではなく、許可取得時または更新時の年度を示す)
- 許可番号
例えば:
- (般-27):平成27年度に許可取得または更新
- (般-02):令和2年度に許可取得または更新
- (般-5):令和5年度に許可取得または更新
大臣許可の例:
国土交通大臣許可(特-3)第54321号
10-2. 許可通知書の交付
交付方法:
- 窓口交付(最も一般的)
- 郵送(都道府県により異なる)
窓口交付の場合:
- 都道府県から交付日時の連絡
- 窓口で許可通知書を受領
- 副本も同時に返却(提出時に返却済みの場合あり)
持参物:
- 身分証明書(行政書士証票)
- 委任状(代理人が受領する場合)
- 印鑑(受領印)
10-3. 許可通知書の内容確認
確認事項:
- 許可番号
- 商号または名称
- 代表者氏名
- 主たる営業所の所在地
- 許可を受けた建設業の種類(業種)
- 許可年月日
- 有効期間(5年間)
誤りがあった場合:
11. STEP 10:許可後の手続き
![建設業許可申請の流れ]()
11-1. 許可証の掲示
掲示義務:
- 各営業所の見やすい場所に許可証を掲示
- 建設業法により義務付けられている
掲示内容:
- 許可番号
- 商号または名称
- 代表者氏名
- 許可を受けた建設業の種類
- 許可年月日
実務のポイント:
- 許可通知書のコピーを掲示する方法が一般的
- 専用の許可証票を作成する方法もあり
11-2. 変更届の提出体制整備
変更届とは:
- 許可取得後、一定の事項に変更があった場合に提出する届出
- 提出期限:2週間以内または30日以内(変更事項により異なる)
主な変更事項:
- 商号、本店所在地、資本金(30日以内)
- 役員の変更(30日以内)
- 経営業務の管理責任者の変更(2週間以内)
- 専任技術者の変更(2週間以内)
- 営業所の新設、廃止(30日以内)
11-3. 事業年度終了届(決算変更届)の準備
事業年度終了届とは:
- 毎年、事業年度終了後4ヶ月以内に提出する届出
- 決算変更届とも呼ばれる
提出書類:
- 工事経歴書(様式第2号)
- 直前3年の工事施工金額(様式第3号)
- 財務諸表(様式第15号〜第19号)
- その他
11-4. 更新申請の準備
更新時期:
- 許可の有効期間は5年間
- 有効期間満了日の30日前までに更新申請
更新受付開始時期:
- 大臣許可:有効期間満了日の3ヶ月前から
- 知事許可:有効期間満了日の2ヶ月前から
更新を忘れた場合:
実務のポイント:
- カレンダーに更新時期を記入
- 余裕を持って準備開始(3〜6ヶ月前)
12. 実務上のタイムスケジュール
![建設業許可申請の流れ]()
12-1. 知事許可(新規)のスケジュール例
申請予定日:4月1日
1月1日(申請3ヶ月前):
- 6要件の確認
- 必要書類のリストアップ
- チェックリスト001または002、チェックリスト004を使用
1月15日(申請2.5ヶ月前):
- 遠方の身分証明書、登記されていないことの証明書を郵送で取得開始
- 卒業証明書の取得開始
2月1日(申請2ヶ月前):
3月1日(申請1ヶ月前):
- 登記事項証明書の取得
- 健康保険証のコピー作成
- 申請書式の完成
3月15日(申請2週間前):
3月25日(申請1週間前):
- 残高証明書の取得(自己資本500万円未満の場合)
- 予備審査の補正対応
4月1日(申請日):
- 本申請の提出
- 手数料9万円(知事許可の一般または特定)の納付
4月1日〜5月15日(審査期間:45日):
5月15日:
12-2. 大臣許可(新規)のスケジュール例
申請予定日:4月1日
12月1日(申請4ヶ月前):
1月1日(申請3ヶ月前):
3月1日(申請1ヶ月前):
4月1日(申請日):
- 地方整備局に提出
- 手数料15万円(大臣許可の一般または特定)の納付
4月1日〜7月30日(審査期間:120日):
7月30日:
12-3. スケジュール管理のポイント
余裕を持ったスケジュール:
- 予想外のトラブルに備える
- 郵送取得の遅延、補正対応等
繁忙期を避ける:
- 年度末(3月)、年度初め(4月)は審査が遅延しやすい
- 可能であれば、5〜2月に申請
有効期限に注意:
- 登記事項証明書、身分証明書:発行後3ヶ月以内
- 残高証明書:基準日から1ヶ月以内が一般的(都道府県により異なる)
- 申請直前に取得しすぎると、審査中に有効期限切れのリスク
まとめ
本記事では、建設業許可申請の手続きを、事前準備から許可通知書の受領、許可後の手続きまで、時系列で詳しく解説しました。
押さえるべき重要ポイント
申請から許可までの流れ
- 事前準備(2〜3ヶ月前):6要件の確認、書類収集
- 申請書類の作成(1〜2ヶ月前):001〜037の書式、添付書類
- 提出先の確認:知事許可(都道府県)、大臣許可(地方整備局)
- 予備審査(都道府県により有無が異なる)
- 本申請の提出
- 手数料の納付:知事9万円(または18万円)、大臣15万円(または30万円)
- 審査:知事30〜45日、大臣90〜120日
- 補正対応
- 許可通知書の受領
- 許可後の手続き
補足書類の作成
- 031 営業の沿革:会社の歴史を時系列で記載
- 032 所属建設業者団体:加盟団体名
- 033 主要取引金融機関名:メインバンク
手数料の納付
- 知事許可:都道府県収入証紙(005 証紙等はり付け欄に貼付)
- 大臣許可:登録免許税(浦和税務署に納入し領収証書を貼付)
- 金額を間違えないよう注意(一般のみ、特定のみ、両方で金額が異なる)
- 大臣許可で一般と特定の両方を申請する場合は30万円
許可番号の読み方
- (般-5)の数字は「許可取得または更新した年度」を示す
- 更新回数を示すのではなく、年度を示す
審査と補正対応
- 6要件の確認、書類の整合性チェック
- 補正指摘を受けたら速やかに対応
- 遅延すると審査が長引く
許可後の手続き
- 許可証の掲示(各営業所)
- 変更届の提出体制整備(2週間/30日以内)
- 事業年度終了届(毎年4ヶ月以内)
- 更新申請(5年ごと、30日前まで)
実務で成功するための必須ツール
申請手続きを円滑に進めるには、以下の書式が不可欠です:
補足書類:
- 031 営業の沿革(様式第20号)
- 032 所属建設業者団体(様式第20号の2)
- 033 主要取引金融機関名(様式第20号の3)
手数料納付用:
チェックリスト:
- チェックリスト001(一般建設業許可要件チェックリスト)
- チェックリスト002(特定建設業許可要件チェックリスト)
- チェックリスト004(建設業許可申請に必要な書類チェックリスト)
これらの書式を正確に作成し、スケジュール管理を徹底することが、審査通過の鍵です。特に、予備審査の活用、補正対応の迅速化、有効期限の管理が重要です。
20年以上新人行政書士に使われ続けている「
行政書士開業セット」の書式集については、以下のページで詳しく解説しています。
![建設業許可申請の流れ]()
次に読むべき記事
申請手続きの流れを理解したら、次は許可取得後の手続きを学びましょう:
- 記事10:変更届・更新申請の実務(2週間/30日の提出期限、事業年度終了届)