9.建設業許可申請の流れを徹底解説|提出から許可までの期間・審査ポイント・補正対応・手数料まで


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はじめに


建設業許可の6要件を満たし、申請書類を完璧に作成しても、申請手続きの流れを理解していなければ、スムーズな許可取得は困難です。提出先の判断ミス、予備審査の活用漏れ、手数料の納付方法の誤り、補正対応の遅延など、手続き面での失敗が審査の遅延や許可取得の失敗につながるケースは少なくありません。


特に、都道府県知事許可と国土交通大臣許可では、提出先、審査期間、手数料が大きく異なります。知事許可は30〜45日程度で許可が下りますが、大臣許可は90〜120日程度かかります。また、予備審査制度の有無、補正対応の方法、許可通知書の交付方法も、都道府県により運用が異なります。


本記事では、建設業許可申請の手続きを、事前準備から許可通知書の受領、許可後の手続きまで、時系列で詳しく解説します。審査での確認ポイント、補正対応の実務、手数料の納付方法、実務上のタイムスケジュールまで網羅し、初めての申請でも迷わず進められるよう、実務目線でお伝えします。


建設業許可申請の流れ


この記事で使う主な書式


申請手続きでは、「(特典付き)行政書士開業セット」の中の以下の書式を使用します。これらの書式は申請書本体に添付する補足書類として重要です。


補足書類(031〜033)


  • 031 営業の沿革(様式第20号) - 会社設立からの沿革を記載
  • 032 所属建設業者団体(様式第20号の2) - 加盟している建設業者団体名
  • 033 主要取引金融機関名(様式第20号の3) - 主要な取引銀行を記載


手数料納付用


  • 005 証紙等はり付け欄 - 都道府県収入証紙を貼付(知事許可の場合)または収入印紙・登録免許税領収証書を貼付(大臣許可の場合)


これらの書式は、申請の際に必ず提出が必要です。特に031の営業の沿革は、会社の歴史を審査側に理解してもらうための重要書類です。


建設業許可申請の流れ


1. 建設業許可申請の全体フロー


建設業許可申請は、以下の流れで進みます。全体像を把握することで、各段階で何をすべきか明確になります。


1-1. 申請から許可までの8ステップ


建設業許可申請の流れ


STEP 1:事前準備(申請2〜3ヶ月前)

  • 6要件の確認
  • 必要書類のリストアップ
  • 書類収集の開始


STEP 2:申請書類の作成(申請1〜2ヶ月前)

  • 001〜037の書式作成
  • 添付書類の準備
  • 書類の整合性チェック


STEP 3:提出先の確認

  • 知事許可:都道府県の建設業許可窓口
  • 大臣許可:地方整備局


STEP 4:予備審査(都道府県により有無が異なる)

  • 事前に不備をチェック
  • 補正指摘を受けて修正


STEP 5:本申請の提出

  • 申請書類一式を提出
  • 手数料の納付


STEP 6:審査(30〜120日)

  • 6要件の確認
  • 書類の整合性チェック
  • 補正対応


STEP 7:許可通知書の受領

  • 許可番号の付与
  • 許可通知書の交付


STEP 8:許可後の手続き

  • 許可証の掲示
  • 変更届の提出体制整備
  • 決算変更届の準備


1-2. 都道府県知事許可と国土交通大臣許可の違い


項目 都道府県知事許可 国土交通大臣許可
提出先 都道府県の建設業許可窓口 地方整備局(本店所在地管轄)
審査期間 30〜45日程度 90〜120日程度
手数料(新規:一般または特定) 9万円 15万円(登録免許税)
手数料(新規:一般と特定の両方) 18万円 30万円(登録免許税)
予備審査 都道府県により有無が異なる 通常なし
許可通知 都道府県から通知 地方整備局から通知


1-3. 申請区分による違い


申請区分 手数料(知事許可) 手数料(大臣許可)
新規(一般または特定) 9万円 15万円(登録免許税)
新規(一般と特定の両方) 18万円 30万円(登録免許税)
許可換え新規(一般または特定) 9万円 15万円(登録免許税)
許可換え新規(一般と特定の両方) 18万円 30万円(登録免許税)
般・特新規 9万円 15万円(登録免許税)
業種追加 5万円 5万円(収入印紙)
更新 5万円 5万円(収入印紙)


2. STEP 1:事前準備(申請2〜3ヶ月前)


建設業許可申請の流れ


2-1. 6要件の確認


申請手続きの第一歩は、6要件をすべて満たしているかの確認です。


確認方法:

  • チェックリスト001(一般建設業)またはチェックリスト002(特定建設業)を使用
  • 各要件について詳細に確認


6要件:

  1. 経営業務の管理責任者等の設置
  2. 営業所ごとの専任技術者の設置
  3. 誠実性
  4. 財産的基礎
  5. 欠格要件に非該当
  6. 適正な社会保険への加入


実務のポイント:

  • 1つでも満たしていない要件があれば、許可は受けられない
  • 不足している要件があれば、まず対応策を検討
  • 例:専技が不足 → 資格取得、実務経験証明、他社からの転職等


2-2. 必要書類のリストアップ


必要書類の確認:

  • チェックリスト004(建設業許可申請に必要な書類チェックリスト)を使用
  • 申請区分、法人・個人、業種数等により必要書類が異なる


主な必要書類:

  • 申請書式:001〜037のうち該当するもの
  • 登記事項証明書(法人)
  • 身分証明書、登記されていないことの証明書(役員等全員分)
  • 資格者証、卒業証明書(専技)
  • 確定申告書、財務諸表
  • 残高証明書(自己資本500万円未満の場合)
  • 健康保険証のコピーまたは社会保険関係書類


2-3. 書類収集の開始


収集スケジュール:


申請2.5ヶ月前:

  • 遠方の身分証明書を郵送で取得開始
  • 登記されていないことの証明書を郵送で取得開始
  • 卒業証明書の取得開始


申請1ヶ月前:

  • 登記事項証明書の取得
  • 近隣の身分証明書の取得
  • 健康保険証のコピー


申請直前(1週間前):

  • 残高証明書の取得(有効期限が短いため)


3. STEP 2:申請書類の作成(申請1〜2ヶ月前)


3-1. 申請書式の作成順序


建設業許可申請の流れ


推奨される作成順序:


@基本情報の整理

  • 申請区分、許可区分、業種の確定
  • 営業所の確認
  • 役員、専技の確認


A001 建設業許可申請書の作成

  • 申請書のメイン書式
  • すべての基礎となる情報を記載


B関連書式の作成

  • 002 役員一覧表
  • 003/004 営業所一覧表
  • 006 専任技術者一覧表
  • 007 工事経歴書
  • 008 工事施工金額
  • 009 使用人数
  • 010 誓約書


C経管・専技の証明書類

  • 011または012(経管証明)
  • 013〜015(経管の略歴書)
  • 017 専任技術者証明書
  • 018 実務経験証明書(該当者のみ)
  • 019 指導監督的実務経験証明書(特定建設業のみ)


Dその他の書式

  • 016 健康保険等の加入状況
  • 020 使用人の一覧表(該当者のみ)
  • 021〜023 調書
  • 024〜030 財務諸表
  • 031〜033 補足書類


3-2. 031〜033の補足書類の作成


建設業許可申請の流れ


031 営業の沿革(様式第20号)


営業の沿革は、会社設立からの沿革を時系列で記載する書式です。


記入内容:


法人の場合:

  • 設立年月日
  • 資本金の増資
  • 商号変更
  • 本店移転
  • 営業所の開設・廃止
  • 建設業許可の取得・更新
  • 主要な事業の変更


個人の場合:

  • 開業年月日
  • 営業所の開設・廃止
  • 建設業許可の取得・更新
  • 主要な事業の変更


記入例:


令和○年○月○日 株式会社○○建設設立(資本金300万円)
令和○年○月○日 資本金を500万円に増資
令和○年○月○日 本店を東京都新宿区から東京都渋谷区に移転
令和○年○月○日 建設業許可取得(東京都知事許可(般-○)第○○号)
令和○年○月○日 神奈川県横浜市に支店開設
令和○年○月○日 建設業許可を国土交通大臣許可に許可換え


実務のポイント:

  • 時系列で記載(古い順)
  • 主要な出来事を簡潔に記載
  • 登記簿謄本の内容と整合させる


032 所属建設業者団体(様式第20号の2)


所属建設業者団体は、加盟している建設業者団体名を記載する書式です。


記入内容:

  • 建設業協会
  • 建築業協会
  • 建設専門工事業団体連合会
  • その他の建設業者団体


記入例:


一般社団法人○○県建設業協会


実務のポイント:

  • 加盟していない場合は「なし」と記載
  • 複数の団体に加盟している場合は、すべて記載


033 主要取引金融機関名(様式第20号の3)


主要取引金融機関名は、主要な取引銀行を記載する書式です。


記入内容:

  • 金融機関名
  • 支店名


記入例:


○○銀行 △△支店
□□信用金庫 ××支店


実務のポイント:

  • メインバンクを記載
  • 複数ある場合は、取引額の大きい順に記載
  • 預金口座だけでなく、融資取引がある金融機関を優先


3-3. 書類の整合性チェック


チェックポイント:


  • □ 001の申請業種と006の専技一覧が一致
  • □ 003/004の営業所と006の専技配置が一致
  • □ 002の役員と011または012の経管証明が一致
  • □ 007の工事経歴と008の施工金額が整合
  • □ 008の合計と025の完成工事高が一致
  • □ 商号、本店所在地が登記簿と一致
  • □ 役員の氏名・役職が登記簿と一致
  • □ すべての書式で同一印鑑を使用
  • □ 旧字体・新字体の統一
  • □ 住所表記の統一


4. STEP 3:提出先の確認


建設業許可申請の流れ


4-1. 都道府県知事許可の提出先


提出先:

  • 都道府県の建設業許可担当窓口
  • 都道府県により名称が異なる(建設業課、土木部、都市整備局等)


提出方法:

  • 窓口持参(原則)
  • 郵送可の都道府県もあり(事前確認必須)


提出時間:

  • 平日の開庁時間(通常9:00〜17:00、都道府県により異なる)
  • 昼休み(12:00〜13:00)は受付していない場合あり


実務のポイント:

  • 事前に窓口の場所、受付時間を確認
  • 予約が必要な都道府県もあり
  • 繁忙期(年度末3月、年度初め4月)は混雑するため、早めの提出を


4-2. 国土交通大臣許可の提出先


提出先:

  • 主たる営業所(本店)の所在地を管轄する地方整備局


地方整備局の管轄:

  • 関東地方整備局:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野
  • 北海道開発局:北海道
  • 東北地方整備局:青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
  • 北陸地方整備局:新潟、富山、石川
  • 中部地方整備局:岐阜、静岡、愛知、三重
  • 近畿地方整備局:福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
  • 中国地方整備局:鳥取、島根、岡山、広島、山口
  • 四国地方整備局:徳島、香川、愛媛、高知
  • 九州地方整備局:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
  • 沖縄総合事務局:沖縄


提出方法:

  • 窓口持参または郵送
  • 地方整備局により異なるため、事前確認必須


5. STEP 4:予備審査(都道府県により有無が異なる)


建設業許可申請の流れ


5-1. 予備審査とは


予備審査:

  • 本申請の前に、申請書類を事前に提出し、不備をチェックしてもらう制度
  • 都道府県により有無が異なる


予備審査がある都道府県の例:

  • 各都道府県の手引きで確認が必要(具体的な都道府県名については、事前に申請先の建設業許可窓口に確認してください)


予備審査がない都道府県の例:

  • 各都道府県の手引きで確認が必要(いきなり本申請を提出)


5-2. 予備審査のメリット


メリット:

  • 本申請前に不備を発見できる
  • 補正指摘を受けて修正できる
  • 本申請時の審査がスムーズになる


デメリット:

  • 予備審査に時間がかかる(1〜2週間程度)
  • 全体のスケジュールが長くなる


5-3. 予備審査の流れ


@予備審査用の書類を提出

  • 本申請と同じ書類一式(コピー可の場合が多い)


A審査(1〜2週間)

  • 不備がないかチェック
  • 補正指摘


B補正対応

  • 指摘事項を修正


C予備審査合格

  • 本申請へ進む


実務のポイント:

  • 予備審査の有無、手続きは都道府県により異なる
  • 申請前に必ず都道府県の手引きで確認
  • 予備審査がある場合は、活用することで本申請がスムーズになる


6. STEP 5:本申請の提出


建設業許可申請の流れ


6-1. 提出書類の確認


最終チェック:


  • □ 申請書式:001〜037のうち該当するもの
  • □ 添付書類:登記簿、身分証明書、資格者証等
  • □ 正本・副本の部数確認(都道府県により異なる)
  • □ 有効期限の確認(登記簿、身分証明書:3ヶ月以内等)
  • □ 書類の整合性
  • □ 押印漏れ
  • □ 記入漏れ


6-2. 提出時の持参物


必要なもの:

  • 申請書類一式(正本・副本)
  • 手数料(収入証紙、現金、振込等、都道府県により異なる)
  • 身分証明書(行政書士の場合は行政書士証票)
  • 委任状(代理人が提出する場合)


6-3. 窓口での受付


受付の流れ:


@書類の提出

  • 窓口で申請書類一式を提出


A形式審査

  • 窓口担当者が書類の体裁をチェック
  • 部数、押印、記入漏れ等


B手数料の納付

  • 収入証紙の購入・貼付、または振込


C受付完了

  • 受付番号の付与
  • 副本の返却(都道府県により時期が異なる)


実務のポイント:

  • 窓口での形式審査は、記載内容の正確性までは確認しない
  • 体裁(部数、押印等)のみをチェック
  • 実質的な審査は、後日行われる


7. STEP 6:手数料の納付


建設業許可申請の流れ


7-1. 手数料の金額


知事許可(新規):

  • 一般建設業のみ:9万円
  • 特定建設業のみ:9万円
  • 一般と特定の両方:18万円


大臣許可(新規):

  • 一般建設業のみ:15万円(登録免許税)
  • 特定建設業のみ:15万円(登録免許税)
  • 一般と特定の両方:30万円(登録免許税)


その他の申請区分:

  • 許可換え新規:知事9万円(または18万円)、大臣15万円(または30万円)
  • 般・特新規:知事9万円、大臣15万円
  • 業種追加:知事5万円、大臣5万円
  • 更新:知事5万円、大臣5万円


7-2. 納付方法


都道府県知事許可の場合


納付方法:

  • 都道府県収入証紙(最も一般的)
  • 現金納付(都道府県により異なる)
  • 振込(都道府県により異なる)


収入証紙の購入場所:

  • 都道府県庁内の売店
  • 指定の金融機関
  • 郵便局(一部都道府県)


貼付方法:

  • 005 証紙等はり付け欄に貼付
  • 消印は不要(都道府県により異なる)


国土交通大臣許可の場合


納付方法:

  • 登録免許税(浦和税務署に直接納入または金融機関経由)
  • 収入印紙(別途購入して申請書に貼付)


登録免許税の納入先:

  • 浦和税務署
  • 日本銀行、日本銀行歳入代理店、ゆうちょ銀行からも納入可


登録免許税の領収証書の貼付方法:

  • 005 証紙等はり付け欄に貼付(原本)


収入印紙の購入場所:

  • 郵便局
  • 法務局
  • コンビニエンスストア(一部)


収入印紙の貼付方法:

  • 005 証紙等はり付け欄に貼付
  • 消印は不要


7-3. 実務のポイント


注意点:

  • 知事許可の場合は「都道府県収入証紙」、大臣許可の場合は「登録免許税」と「収入印紙」は別物
  • 都道府県収入証紙は、その都道府県でのみ有効
  • 間違えて購入しないよう注意
  • 金額を間違えないよう注意(一般のみ、特定のみ、両方で金額が異なる)
  • 大臣許可で一般と特定の両方を申請する場合は30万円(15万円×2)


返金:

  • 申請が不受理となった場合、手数料は返金されない(都道府県により異なる)
  • 事前に十分確認してから申請


8. STEP 7:審査(30〜120日)


建設業許可申請の流れ


8-1. 審査期間の目安


許可区分 申請区分 標準処理期間
知事許可 新規 30〜45日程度
知事許可 更新 30日程度
知事許可 業種追加 30〜45日程度
大臣許可 新規 90〜120日程度
大臣許可 更新 90日程度
大臣許可 業種追加 90〜120日程度


実務のポイント:

  • あくまで目安であり、都道府県・地方整備局により異なる
  • 繁忙期(3月、4月)は遅延する可能性
  • 補正対応が必要な場合は、更に時間がかかる


8-2. 審査での確認ポイント


6要件の確認:


@経営業務の管理責任者等の設置

  • 011または012の証明書の内容確認
  • 経験年数が要件を満たすか
  • 常勤性の証明


A専任技術者の設置

  • 017の証明書の内容確認
  • 資格者証の有効性
  • 実務経験の証明(018)の妥当性
  • 常勤性・専任性の証明


B誠実性

  • 010 誓約書の記載内容
  • 役員等全員が記名押印しているか


C財産的基礎

  • 一般建設業:自己資本500万円以上または残高証明書
  • 特定建設業:欠損比率、流動比率、資本金・自己資本の基準


D欠格要件に非該当

  • 身分証明書、登記されていないことの証明書
  • 略歴書での確認


E社会保険への加入

  • 016の記載内容
  • 社会保険加入を証明する書類の確認


書類の整合性確認:

  • 申請書式間の整合性
  • 申請書と添付書類の整合性
  • 登記簿との整合性


8-3. 審査中の問い合わせ


問い合わせ方法:

  • 電話で審査状況を確認可能(都道府県により対応が異なる)
  • 受付番号を伝える


問い合わせのタイミング:

  • 標準処理期間を過ぎても連絡がない場合
  • 補正対応後、一定期間経過した場合


実務のポイント:

  • 頻繁な問い合わせは避ける
  • 審査側も多数の申請を処理しているため、標準処理期間内は待つ


9. STEP 8:補正対応の実務


建設業許可申請の流れ


9-1. 補正とは


補正:

  • 申請書類に不備があった場合、行政庁から指摘を受けて修正すること


補正の連絡方法:

  • 電話(最も一般的)
  • 書面(補正指摘書)
  • 窓口呼び出し


9-2. よくある補正指摘


書式の記載ミス:

  • 書式間の整合性不一致
  • 記入漏れ、誤記
  • 押印漏れ


添付書類の不備:

  • 有効期限切れ(登記簿が3ヶ月超過等)
  • 添付書類の不足
  • 不鮮明なコピー


証明の不十分:

  • 実務経験の証明が不十分(裏付け資料不足)
  • 経験年数の計算ミス
  • 常勤性の証明不足


要件不足:

  • 専技の資格・経験が申請業種に対応していない
  • 財産的基礎が基準未満
  • 社会保険未加入


9-3. 補正対応の流れ


@補正指摘を受ける

  • 電話、書面等で連絡
  • 指摘内容を正確に理解


A補正内容の確認

  • 不明点は行政庁に確認
  • どのように修正すべきか確認


B修正書類の作成

  • 指摘事項を修正
  • 他の書式にも同じミスがないか確認


C補正書類の提出

  • 窓口持参または郵送
  • 提出期限を守る


D再審査

  • 補正後、審査が再開


9-4. 補正対応のポイント


迅速な対応:

  • 補正依頼を受けたら速やかに対応
  • 遅延すると審査が長引く
  • 提出期限がある場合は厳守


正確な修正:

  • 指摘事項を正確に理解
  • 不明点は必ず確認
  • 同じミスを他の書式でも犯していないか全体をチェック


記録の保持:

  • 補正指摘の内容を記録
  • 今後の申請の参考に


10. STEP 9:許可通知書の受領


建設業許可申請の流れ


10-1. 許可の決定


許可決定の連絡:

  • 電話、書面、ホームページ等で通知(都道府県により異なる)
  • 許可番号の付与


許可番号の構成:


知事許可の例:


東京都知事許可(般-5)第12345号


  • 都道府県名
  • 一般/特定の区分(般/特)
  • 許可取得または更新した年度(新規は1、1回目の更新で2となるのではなく、許可取得時または更新時の年度を示す)
  • 許可番号


例えば:

  • (般-27):平成27年度に許可取得または更新
  • (般-02):令和2年度に許可取得または更新
  • (般-5):令和5年度に許可取得または更新


大臣許可の例:


国土交通大臣許可(特-3)第54321号


10-2. 許可通知書の交付


交付方法:

  • 窓口交付(最も一般的)
  • 郵送(都道府県により異なる)


窓口交付の場合:

  • 都道府県から交付日時の連絡
  • 窓口で許可通知書を受領
  • 副本も同時に返却(提出時に返却済みの場合あり)


持参物:

  • 身分証明書(行政書士証票)
  • 委任状(代理人が受領する場合)
  • 印鑑(受領印)


10-3. 許可通知書の内容確認


確認事項:

  • 許可番号
  • 商号または名称
  • 代表者氏名
  • 主たる営業所の所在地
  • 許可を受けた建設業の種類(業種)
  • 許可年月日
  • 有効期間(5年間)


誤りがあった場合:

  • すぐに都道府県に連絡
  • 訂正手続き


11. STEP 10:許可後の手続き


建設業許可申請の流れ


11-1. 許可証の掲示


掲示義務:

  • 各営業所の見やすい場所に許可証を掲示
  • 建設業法により義務付けられている


掲示内容:

  • 許可番号
  • 商号または名称
  • 代表者氏名
  • 許可を受けた建設業の種類
  • 許可年月日


実務のポイント:

  • 許可通知書のコピーを掲示する方法が一般的
  • 専用の許可証票を作成する方法もあり


11-2. 変更届の提出体制整備


変更届とは:

  • 許可取得後、一定の事項に変更があった場合に提出する届出
  • 提出期限:2週間以内または30日以内(変更事項により異なる)


主な変更事項:

  • 商号、本店所在地、資本金(30日以内)
  • 役員の変更(30日以内)
  • 経営業務の管理責任者の変更(2週間以内)
  • 専任技術者の変更(2週間以内)
  • 営業所の新設、廃止(30日以内)


11-3. 事業年度終了届(決算変更届)の準備


事業年度終了届とは:

  • 毎年、事業年度終了後4ヶ月以内に提出する届出
  • 決算変更届とも呼ばれる


提出書類:

  • 工事経歴書(様式第2号)
  • 直前3年の工事施工金額(様式第3号)
  • 財務諸表(様式第15号〜第19号)
  • その他


11-4. 更新申請の準備


更新時期:

  • 許可の有効期間は5年間
  • 有効期間満了日の30日前までに更新申請


更新受付開始時期:

  • 大臣許可:有効期間満了日の3ヶ月前から
  • 知事許可:有効期間満了日の2ヶ月前から


更新を忘れた場合:

  • 許可が失効
  • 再度、新規申請が必要


実務のポイント:

  • カレンダーに更新時期を記入
  • 余裕を持って準備開始(3〜6ヶ月前)


12. 実務上のタイムスケジュール


建設業許可申請の流れ


12-1. 知事許可(新規)のスケジュール例


申請予定日:4月1日


1月1日(申請3ヶ月前):

  • 6要件の確認
  • 必要書類のリストアップ
  • チェックリスト001または002、チェックリスト004を使用


1月15日(申請2.5ヶ月前):

  • 遠方の身分証明書、登記されていないことの証明書を郵送で取得開始
  • 卒業証明書の取得開始


2月1日(申請2ヶ月前):

  • 申請書式の作成開始
  • 実務経験証明用の書類整理


3月1日(申請1ヶ月前):

  • 登記事項証明書の取得
  • 健康保険証のコピー作成
  • 申請書式の完成


3月15日(申請2週間前):

  • 予備審査の提出(予備審査がある都道府県の場合)


3月25日(申請1週間前):

  • 残高証明書の取得(自己資本500万円未満の場合)
  • 予備審査の補正対応


4月1日(申請日):

  • 本申請の提出
  • 手数料9万円(知事許可の一般または特定)の納付


4月1日〜5月15日(審査期間:45日):

  • 審査
  • 補正対応(必要な場合)


5月15日:

  • 許可決定
  • 許可通知書の交付


12-2. 大臣許可(新規)のスケジュール例


申請予定日:4月1日


12月1日(申請4ヶ月前):

  • 6要件の確認
  • 必要書類のリストアップ


1月1日(申請3ヶ月前):

  • 遠方の身分証明書等の取得開始
  • 申請書式の作成開始


3月1日(申請1ヶ月前):

  • 登記事項証明書の取得
  • 申請書式の完成


4月1日(申請日):

  • 地方整備局に提出
  • 手数料15万円(大臣許可の一般または特定)の納付


4月1日〜7月30日(審査期間:120日):

  • 審査
  • 補正対応


7月30日:

  • 許可決定
  • 許可通知書の交付


12-3. スケジュール管理のポイント


余裕を持ったスケジュール:

  • 予想外のトラブルに備える
  • 郵送取得の遅延、補正対応等


繁忙期を避ける:

  • 年度末(3月)、年度初め(4月)は審査が遅延しやすい
  • 可能であれば、5〜2月に申請


有効期限に注意:

  • 登記事項証明書、身分証明書:発行後3ヶ月以内
  • 残高証明書:基準日から1ヶ月以内が一般的(都道府県により異なる)
  • 申請直前に取得しすぎると、審査中に有効期限切れのリスク


まとめ


本記事では、建設業許可申請の手続きを、事前準備から許可通知書の受領、許可後の手続きまで、時系列で詳しく解説しました。


押さえるべき重要ポイント


申請から許可までの流れ

  • 事前準備(2〜3ヶ月前):6要件の確認、書類収集
  • 申請書類の作成(1〜2ヶ月前):001〜037の書式、添付書類
  • 提出先の確認:知事許可(都道府県)、大臣許可(地方整備局)
  • 予備審査(都道府県により有無が異なる)
  • 本申請の提出
  • 手数料の納付:知事9万円(または18万円)、大臣15万円(または30万円)
  • 審査:知事30〜45日、大臣90〜120日
  • 補正対応
  • 許可通知書の受領
  • 許可後の手続き


補足書類の作成

  • 031 営業の沿革:会社の歴史を時系列で記載
  • 032 所属建設業者団体:加盟団体名
  • 033 主要取引金融機関名:メインバンク


手数料の納付

  • 知事許可:都道府県収入証紙(005 証紙等はり付け欄に貼付)
  • 大臣許可:登録免許税(浦和税務署に納入し領収証書を貼付)
  • 金額を間違えないよう注意(一般のみ、特定のみ、両方で金額が異なる)
  • 大臣許可で一般と特定の両方を申請する場合は30万円


許可番号の読み方

  • (般-5)の数字は「許可取得または更新した年度」を示す
  • 更新回数を示すのではなく、年度を示す


審査と補正対応

  • 6要件の確認、書類の整合性チェック
  • 補正指摘を受けたら速やかに対応
  • 遅延すると審査が長引く


許可後の手続き

  • 許可証の掲示(各営業所)
  • 変更届の提出体制整備(2週間/30日以内)
  • 事業年度終了届(毎年4ヶ月以内)
  • 更新申請(5年ごと、30日前まで)


実務で成功するための必須ツール


申請手続きを円滑に進めるには、以下の書式が不可欠です:


補足書類:

  • 031 営業の沿革(様式第20号)
  • 032 所属建設業者団体(様式第20号の2)
  • 033 主要取引金融機関名(様式第20号の3)


手数料納付用:

  • 005 証紙等はり付け欄


チェックリスト:

  • チェックリスト001(一般建設業許可要件チェックリスト)
  • チェックリスト002(特定建設業許可要件チェックリスト)
  • チェックリスト004(建設業許可申請に必要な書類チェックリスト)


これらの書式を正確に作成し、スケジュール管理を徹底することが、審査通過の鍵です。特に、予備審査の活用、補正対応の迅速化、有効期限の管理が重要です。


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建設業許可申請の流れ


次に読むべき記事


申請手続きの流れを理解したら、次は許可取得後の手続きを学びましょう:


  • 記事10:変更届・更新申請の実務(2週間/30日の提出期限、事業年度終了届)


 
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