8.建設業許可申請書の書き方完全ガイド|様式第1号〜第6号の記入実務・工事経歴書の作成方法と注意点


このページの目次


はじめに


建設業許可申請では、6要件を満たしていることを証明するために、最大37種類の申請書式を作成する必要があります。特に、申請書本体となる様式第1号から様式第6号、そして工事経歴書(様式第2号)や施工金額(様式第3号)は、申請の基礎となる重要書類です。


これらの書式は、記入方法が複雑で、わずかな記載ミスが補正指摘や審査の遅延につながります。例えば、許可区分の選択ミス、業種コードの誤記載、営業所情報の不整合など、新人行政書士が陥りやすい落とし穴が数多く存在します。


本記事では、申請書本体(様式第1号〜第6号)と工事関係書類(様式第2号〜第4号)の記入方法を、実務目線で詳しく解説します。よくある記入ミス30選、補正対応の実務、記入前のチェックポイントまで網羅し、一発で審査を通過できる申請書作成のコツをお伝えします。


建設業許可申請書の書き方


この記事で使う主な書式


申請書本体の作成には、「(特典付き)行政書士開業セット」の中の以下の書式を使用します。これらの書式を正確に記入できるかが、許可取得の成否を分けます。


申請書本体(001〜006)


  • 001 建設業許可申請書(様式第1号) - 申請の基本情報を記載する最重要書式
  • 002 役員の一覧表(様式第1号別紙1) - 役員等全員をリスト化(法人のみ)
  • 003 営業所一覧表【新規許可等】(様式第1号別紙2(1)) - 新規・業種追加時の営業所情報
  • 004 営業所一覧表【更新】(様式第1号別紙2(2)) - 更新時の営業所情報
  • 005 証紙等はり付け欄 - 手数料納付用
  • 006 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4) - 営業所ごと・業種ごとの専技を一覧化


工事関係書類(007〜009)


  • 007 工事経歴書(様式第2号) - 直前事業年度の代表的な工事を記載
  • 008 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号) - 業種別の施工実績
  • 009 使用人数(様式第4号) - 従業員数と技術者数


誓約書


  • 010 誓約書(様式第6号) - 欠格要件に該当しないことを誓約(詳細は記事4参照)


これらの書式は、互いに関連しており、整合性が取れていることが重要です。例えば、001で申請した業種は006の専技一覧と一致している必要があり、003の営業所情報は006の専技配置と整合している必要があります。


建設業許可申請書の書き方


1. 申請書作成の全体フロー


申請書を作成する際は、以下の順序で進めると効率的です。


1-1. 申請書作成の基本ステップ



  • STEP
    基本情報の整理

    • 申請区分の確認(新規/更新/業種追加等)
    • 許可区分の確認(一般/特定、知事/大臣)
    • 申請業種の確定
    • 営業所の確認(所在地、専技配置)
  • STEP
    様式第1号の作成

    • 申請書のメイン書式
    • すべての書式の基礎となる情報を記載
  • STEP
    関連書式の作成

    • 002 役員一覧表(法人のみ)
    • 003/004 営業所一覧表
    • 006 専任技術者一覧表
    • 007 工事経歴書
    • 008 工事施工金額
    • 009 使用人数
  • STEP
    整合性チェック

    • 001の申請業種 ⇔ 006の専技一覧が一致
    • 003の営業所 ⇔ 006の専技配置が一致
    • 002の役員 ⇔ 経管証明(011または012)が一致
  • STEP
    最終確認

    • 記載漏れ、誤字脱字
    • 押印漏れ
    • 添付書類との整合性



1-2. 記入時の基本ルール


文字の記入:

  • 黒色インクまたは黒色ボールペン(消せるボールペンは不可)
  • 鉛筆は不可
  • 手書きまたはパソコン入力(都道府県により異なる)


数字の記入:

  • 算用数字(アラビア数字)で記入
  • 金額:3桁ごとにカンマ(,)を入れる


訂正方法:

  • 二重線で消して訂正印(都道府県により異なる)
  • 修正液・修正テープは不可


印鑑:

  • 申請者の印鑑(法人:代表者印、個人:実印または認印)
  • すべての書式で同一の印鑑を使用


2. 建設業許可申請書(様式第1号)の記入方法


001 建設業許可申請書(様式第1号)は、申請書の最も基本となる書式です。ここでの記載ミスは、すべての書式に影響するため、特に慎重な記入が必要です。


2-1. 申請先の記載


記入欄:「○○知事」または「国土交通大臣」


判断基準:

  • 都道府県知事許可:1つの都道府県内にのみ営業所を設ける場合
  • 国土交通大臣許可:2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合


記入例:

  • 東京都知事
  • 大阪府知事
  • 国土交通大臣


2-2. 申請区分の選択


記入欄:該当する区分に○をつける


選択肢:

  • 新規:初めて許可を取得する場合
  • 許可換え新規:知事⇔大臣の切り替え
  • 般・特新規:一般⇔特定の切り替え
  • 業種追加:既に許可を持っている業種に追加
  • 更新:5年ごとの更新


実務のポイント:

  • 複数該当する場合は、該当するすべてに○
  • 例:更新と同時に業種追加 → 「更新」と「業種追加」の両方に○


2-3. 許可の種類


記入欄:一般建設業/特定建設業


選択方法:

  • 下請総額5,000万円未満(建築一式8,000万円未満) → 一般建設業
  • 下請総額5,000万円以上(建築一式8,000万円以上) → 特定建設業


注意点:

  • 同一業種で一般と特定の両方は取得不可
  • 異なる業種であれば可能(例:建築一式は一般、土木一式は特定)


建設業許可申請書の書き方


2-4. 商号または名称


記入方法:

  • 法人:登記事項証明書に記載されている商号を正確に記載
  • 個人:屋号がある場合は「屋号(本名)」、ない場合は本名のみ


注意点:

  • 旧字体・新字体の統一(「」と「高」、「ア」と「崎」等)
  • 「株式会社」の位置(前株/後株)を正確に
  • 登記事項証明書と完全一致させる


記入例:

  • 株式会社○○建設
  • ○○建設株式会社
  • ○○建設(山田太郎)← 個人事業主


2-5. 代表者氏名


記入方法:

  • 法人:代表取締役の氏名
  • 個人:本人の氏名


フリガナ:

  • カタカナで記入
  • 姓と名の間に1文字分スペース


押印:

  • 代表者印(法人)または実印・認印(個人)
  • すべての申請書類で同一の印鑑を使用


2-6. 主たる営業所の所在地


記入方法:

  • 法人:登記上の本店所在地
  • 個人:主たる営業所の所在地


注意点:

  • 郵便番号、電話番号も記載
  • 登記事項証明書と完全一致
  • 「○丁目○番○号」と「○-○-○」の表記統一


建設業許可申請書の書き方


2-7. 申請業種


記入方法:

  • 申請する業種の番号に○をつける
  • 複数業種の場合は、該当するすべてに○


業種番号:

  • 01 土木工事業
  • 02 建築工事業
  • 03 大工工事業
  • ...(29業種)


実務のポイント:

  • 006 専任技術者一覧表と一致させる
  • 専技が確保できていない業種は申請不可
  • 業種選択は記事1、チェックリスト003を参照


3. 役員の一覧表(様式第1号別紙1)の作成


002 役員の一覧表(様式第1号別紙1)は、法人の場合に作成が必要です。個人事業主は不要です。


3-1. 記載対象者


対象となる役員等:

  • 取締役(監査役を除く)
  • 執行役
  • 業務を執行する社員(合同会社等)


記載不要:

  • 監査役
  • 会計参与


3-2. 記入項目


@氏名・フリガナ

  • 登記事項証明書に記載されている氏名を正確に記入
  • フリガナはカタカナで


A役職名

  • 代表取締役、取締役、執行役等
  • 登記上の役職名を記載


B常勤・非常勤の別

  • 常勤:その営業所に常時勤務している役員
  • 非常勤:他社の役員を兼務している等、常勤でない役員


C経営業務の管理責任者に該当する者

  • 経管に該当する役員に○をつける
  • 011または012の証明書と整合させる


D備考

  • 特記事項があれば記載
  • 通常は空欄


3-3. 実務のポイント


登記事項証明書との整合性:

  • 役員の氏名、役職名は登記簿と完全一致
  • 役員の就任日、退任日も確認


経管との整合性:

  • ここで経管に○をつけた役員は、011または012で証明
  • 経管の証明がない役員に○をつけると不備


常勤・非常勤の判断:

  • 他社の常勤役員を兼務 → 非常勤
  • 公務員として常勤 → 非常勤
  • 基本的には代表取締役は常勤


建設業許可申請書の書き方


4. 営業所一覧表の作成


営業所一覧表には、新規許可等用(003)と更新用(004)の2種類があります。


4-1. 003 営業所一覧表【新規許可等】


003 営業所一覧表(様式第1号別紙2(1))【新規許可等】は、新規申請、業種追加、許可換え新規の際に使用します。


記入項目:


@営業所の名称

  • 本店、本社、支店、営業所等
  • 登記上の名称(本店は登記簿と一致)


A所在地

  • 郵便番号、住所、電話番号
  • 本店は登記事項証明書と完全一致


B専任技術者氏名

  • その営業所に配置する専技の氏名
  • 006 専任技術者一覧表と一致


C業種

  • その営業所で申請する業種に○
  • 専技が資格・経験を持つ業種のみ


D令第3条に規定する使用人

  • 支配人、営業所長がいる場合に氏名を記載
  • いない場合は空欄


4-2. 004 営業所一覧表【更新】


004 営業所一覧表(様式第1号別紙2(2))【更新】は、更新申請の際に使用します。


記入内容:

  • 現在許可を受けている営業所をそのまま記載
  • 更新と同時に営業所を追加・廃止する場合は、変更後の状態を記載


4-3. 実務のポイント


営業所の定義:

  • 請負契約の締結権限を有する事務所
  • 専任技術者を常勤で配置
  • 単なる作業所、倉庫は営業所に該当しない


専技との整合性:

  • 営業所ごと、業種ごとに専技が必要
  • 1人の専技が複数業種を兼ねることは可能(同一営業所内)
  • 1人の専技が複数営業所を兼ねることは不可


よくあるミス:

  • 本店所在地が登記簿と不一致
  • 専技の配置が006と不一致
  • 業種に○をつけたが、専技の資格・経験がない


建設業許可申請書の書き方


5. 専任技術者一覧表の作成


006 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)は、営業所ごと・業種ごとの専技を一覧化する重要書式です。


5-1. 記入項目


@営業所

  • 003/004の営業所一覧表と一致


A専任技術者氏名

  • 常勤性を証明できる者
  • 健康保険証等で証明


B業種

  • その専技が担当する業種
  • 複数業種を兼任する場合は、該当業種すべてに○


C資格・経験

  • 一般建設業:

    • 国家資格(1級・2級施工管理技士等)
    • 実務経験10年
    • 指定学科+実務経験3年(大卒)/5年(高卒)

  • 特定建設業:

    • 1級国家資格
    • 一般の資格+指導監督的実務経験2年以上


D資格者証番号等

  • 国家資格の場合:資格者証番号、取得年月日
  • 実務経験の場合:経験年数


5-2. 実務のポイント


専技証明書との整合性:

  • ここに記載した専技は、017 専任技術者証明書で証明
  • 資格の場合は資格者証の写しを添付
  • 実務経験の場合は018 実務経験証明書を作成


複数業種の兼任:

  • 1人で複数業種を兼任可能(同一営業所内)
  • 例:1級建築施工管理技士 → 建築一式工事を担当、1級土木施工管理技士も保有 → 土木一式工事も兼任可能


経管との兼任:

  • 経管と専技は兼任可能(同一営業所内)
  • 代表取締役が経管かつ専技というケースは多い


よくあるミス:

  • 専技の資格・経験が申請業種に対応していない
  • 専任技術者証明書(017)との不一致
  • 営業所一覧表(003/004)との不一致


建設業許可申請書の書き方


6. 工事経歴書の書き方


007 工事経歴書(様式第2号)は、直前事業年度(直前の決算期)に施工した代表的な工事を記載する書式です。実績を証明する重要書類であり、記載内容が審査で詳しくチェックされます。


6-1. 記載対象となる工事


対象期間:

  • 直前事業年度(直前の決算期の1年間)
  • 法人:直前決算期
  • 個人:直前年の1月1日?12月31日


記載する工事:

  • 完成工事(その期間内に完成した工事)
  • 未成工事(期間内に着工したが未完成の工事)
  • 申請業種ごとに、金額の大きい順に記載


記載件数:

  • 都道府県により異なる(一般的には10件程度)
  • 工事件数が少ない場合は、実際の件数を記載


6-2. 記入項目


@年月日

  • 自:工事着工日
  • 至:工事完成日
  • 未成工事の場合、完成日は空欄または「施工中」


A工事名

  • 契約書に記載されている工事名を正確に記載
  • 「○○ビル新築工事」「△△橋梁補修工事」等


B工事場所

  • 都道府県、市区町村まで記載
  • 「東京都新宿区」「大阪府大阪市北区」等


C注文者

  • 発注者の名称
  • 法人:会社名、個人:氏名


D請負代金の額

  • 税込金額(千円単位)
  • 3桁ごとにカンマを入れる
  • 「50,000千円」「120,000千円」等


E工事内容

  • 具体的な工事内容を簡潔に記載
  • 「RC造5階建ビル新築工事、延べ床面積2,000u」
  • 「国道○○号線橋梁補修工事、延長50m」等


6-3. 業種別の記載


申請業種ごとに記載:

  • 土木一式工事の工事
  • 建築一式工事の工事
  • 大工工事の工事
  • ...(申請業種ごと)


記載順序:

  • 各業種内で、請負代金の大きい順


6-4. 実務のポイント


工事実績の選定:

  • 代表的な工事を選ぶ
  • 金額が大きい工事
  • 技術的に高度な工事
  • 公共工事があれば優先的に記載


契約書との整合性:

  • 工事名、注文者、請負代金は契約書と一致
  • 契約書の写しを添付する場合あり(都道府県により異なる)


008 工事施工金額との整合性:

  • 007に記載した工事の合計額は、008の業種別施工金額と概ね一致
  • 007は代表的な工事の抜粋、008は全工事の合計


よくあるミス:

  • 請負代金の単位ミス(千円単位で記載すべきところを円単位で記載)
  • 工事名が契約書と不一致
  • 業種の振り分けが不適切(建築一式工事を大工工事として記載等)


建設業許可申請書の書き方


7. 直前3年の各事業年度における工事施工金額


008 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)は、過去3年間の業種別施工実績を記載する書式です。


7-1. 記載対象期間


対象:

  • 直前3事業年度
  • 法人:直前3決算期
  • 個人:直前3年


新設法人・開業直後の個人:

  • 設立後1期目 → 1年分のみ記載
  • 設立後2期目 → 2年分のみ記載


7-2. 記入項目


@事業年度

  • 各年度の期間(自○年○月○日 至○年○月○日)


A業種別施工金額

  • 申請業種ごとに、その年度の完成工事高を記載
  • 千円単位、税込


B合計

  • 全業種の合計額
  • 損益計算書の「完成工事高」と一致


7-3. 実務のポイント


業種別の振り分け:

  • 工事ごとに主たる業種を判断
  • 建築一式工事に該当するか、専門工事に該当するかを判断


損益計算書との整合性:

  • 合計額は、025 損益計算書の「完成工事高」と一致
  • 不一致の場合は補正指摘


007 工事経歴書との関係:

  • 007は代表的な工事の抜粋
  • 008は全工事の合計
  • 007の工事の合計 ≦ 008の業種別金額


建設業許可申請書の書き方


8. 使用人数


009 使用人数(様式第4号)は、従業員数と技術者数を記載する書式です。


8-1. 記入項目


@使用人数

  • 直前事業年度の従業員数(年度末時点)
  • 役員を除く


A技術職員

  • 施工管理技士、建築士等の国家資格保有者
  • 資格別に人数を記載


Bその他の職員

  • 技術職員以外の従業員
  • 事務員、営業員等


8-2. 実務のポイント


従業員数の数え方:

  • 正社員、パート・アルバイト含む
  • 役員は含まない
  • 使用人兼務役員は含む


技術職員の数え方:

  • 1人が複数の資格を持つ場合は、それぞれカウント
  • 例:1級建築士かつ1級建築施工管理技士 → 両方に1名ずつカウント


社会保険加入との整合性:

  • 従業員がいる場合、016 社会保険加入状況と整合
  • 従業員0名の場合、雇用保険は適用除外


建設業許可申請書の書き方


9. よくある記入ミス30選と補正対応


審査で指摘されやすい記入ミスを、書式別に整理しました。


9-1. 001 建設業許可申請書のミス


ミス1:申請区分の選択ミス

  • 更新と業種追加を同時に行うのに、「更新」のみに○
  • → 該当するすべてに○をつける


ミス2:商号が登記簿と不一致

  • 「株式会社○○建設」を「○○建設株式会社」と記載
  • → 登記簿と完全一致させる


ミス3:業種番号の記入漏れ

  • 申請したい業種に○をつけ忘れ
  • → 006 専技一覧表と照合して確認


ミス4:押印漏れ

  • 代表者印の押印を忘れる
  • → すべての書式で同一印鑑を使用


9-2. 002 役員一覧表のミス


ミス5:監査役を記載

  • 監査役は役員等に含まれない
  • → 取締役のみ記載


ミス6:経管の○が誤り

  • 経管の証明がない役員に○
  • → 011または012の証明書と整合させる


ミス7:非常勤役員の記載漏れ

  • 非常勤でも役員は記載必要
  • → 登記簿の役員全員を記載


9-3. 003/004 営業所一覧表のミス


ミス8:本店所在地が登記簿と不一致

  • 「1丁目2番3号」を「1-2-3」と記載
  • → 登記簿の表記に統一


ミス9:専技の配置ミス

  • 006 専技一覧表と専技の氏名が不一致
  • → 両方の書式を照合


ミス10:業種の○が専技の資格と不一致

  • 専技が資格を持たない業種に○
  • → 専技の資格・経験を確認


9-4. 006 専任技術者一覧表のミス


ミス11:資格者証番号の誤記載

  • 番号を間違える、桁数が違う
  • → 資格者証を見ながら正確に記入


ミス12:一般と特定の区別ミス

  • 2級資格で特定建設業を申請
  • → 特定は1級資格または指導監督的実務経験が必要


ミス13:専技証明書との不一致

  • ここに記載した資格と017の証明書が不一致
  • → 両方の書式を照合


9-5. 007 工事経歴書のミス


ミス14:請負代金の単位ミス

  • 千円単位で記載すべきところを円単位で記載
  • → 「50,000千円」が正しい(5,000万円の場合)


ミス15:工事名が契約書と不一致

  • 略称や通称を使用
  • → 契約書の正式名称を記載


ミス16:業種の振り分けが不適切

  • 建築一式工事を大工工事として記載
  • → 主たる業種を正しく判断


ミス17:未成工事の完成日を記載

  • 未完成の工事に完成日を記載
  • → 空欄または「施工中」


9-6. 008 工事施工金額のミス


ミス18:損益計算書と合計額が不一致

  • 合計額が025の完成工事高と一致しない
  • → 再計算して一致させる


ミス19:業種別の振り分けミス

  • 業種の判断を誤る
  • → チェックリスト003で確認


ミス20:年度の記載ミス

  • 事業年度の開始日・終了日が誤り
  • → 損益計算書と一致させる


9-7. 009 使用人数のミス


ミス21:役員を従業員に含めて計算

  • 代表取締役を使用人数に含める
  • → 役員は含まない


ミス22:技術職員の重複カウント漏れ

  • 1人が複数資格を持つ場合の計上ミス
  • → それぞれの資格にカウント


9-8. 全体的なミス


ミス23:書式間の整合性ミス

  • 001の申請業種と006の専技一覧が不一致
  • → すべての書式を横断的にチェック


ミス24:旧字体・新字体の不統一

  • 「橋」と「高橋」が混在
  • → すべての書式で表記統一


ミス25:住所表記の不統一

  • 「1丁目2番3号」と「1-2-3」が混在
  • → 登記簿に合わせて統一


ミス26:印鑑の不統一

  • 書式ごとに異なる印鑑を使用
  • → すべての書式で同一印鑑


ミス27:記入漏れ

  • 必須項目の記入を忘れる
  • → 記入前チェックリストで確認


ミス28:添付書類との不一致

  • 申請書と登記簿が不一致
  • → 添付書類と照合しながら記入


ミス29:日付の誤記

  • 西暦と和暦の混在
  • → 和暦で統一(都道府県の指示に従う)


ミス30:修正液・修正テープの使用

  • 訂正に修正液を使用
  • → 二重線+訂正印、または書き直し


建設業許可申請書の書き方


10. 補正対応の実務


10-1. 補正とは


補正:

  • 申請書類に不備があった場合、行政庁から指摘を受けて修正すること


補正の流れ:

  1. 行政庁が審査中に不備を発見
  2. 申請者に補正依頼(電話、書面等)
  3. 申請者が修正書類を提出
  4. 再審査


10-2. よくある補正指摘


書式の記載ミス:

  • 上記の「よくあるミス30選」に該当する事項
  • 整合性の不一致


添付書類の不備:

  • 有効期限切れ(登記簿が3ヶ月超過等)
  • 添付書類の不足


証明の不十分:

  • 実務経験の証明が不十分
  • 資格証の写しが不鮮明


10-3. 補正対応のポイント


迅速な対応:

  • 補正依頼を受けたら速やかに対応
  • 遅延すると審査が長引く


正確な修正:

  • 指摘事項を正確に理解
  • 不明点は行政庁に確認


再発防止:

  • 同じミスを他の書式でも犯していないか確認
  • すべての書式を再チェック


11. 記入前チェックリスト


申請書を作成する前に、以下をチェックすることで、記入ミスを大幅に減らせます。


11-1. 事前準備チェック


  • □ 6要件をすべて満たしているか確認(チェックリスト001または002)
  • □ 申請区分を正しく判断(新規/更新/業種追加等)
  • □ 一般/特定、知事/大臣を正しく判断
  • □ 申請業種を確定(チェックリスト003)
  • □ 営業所ごとに専技を確保
  • □ 添付書類をすべて収集(記事7、チェックリスト004)


11-2. 記入時チェック


  • □ 黒色インク、黒色ボールペン使用
  • □ 鉛筆、消せるボールペン不使用
  • □ 修正液・修正テープ不使用
  • □ すべての書式で同一印鑑使用
  • □ 旧字体・新字体の統一
  • □ 住所表記の統一
  • □ 西暦・和暦の統一


11-3. 記入後チェック


  • □ 001の申請業種と006の専技一覧が一致
  • □ 003/004の営業所と006の専技配置が一致
  • □ 002の役員と経管証明(011または012)が一致
  • □ 007の工事経歴と008の施工金額が整合
  • □ 008の合計と025の完成工事高が一致
  • □ 商号が登記簿と完全一致
  • □ 本店所在地が登記簿と完全一致
  • □ 役員の氏名・役職が登記簿と一致
  • □ 押印漏れがない
  • □ 記入漏れがない


11-4. 提出前最終チェック


  • □ 正本・副本の部数確認(都道府県により異なる)
  • □ 添付書類の有効期限確認
  • □ 添付書類の記載内容と申請書の整合性
  • □ 手数料の金額確認
  • □ 提出先の確認(都道府県または地方整備局)


建設業許可申請書の書き方


まとめ


本記事では、建設業許可申請書(様式第1号?第6号)と工事関係書類(様式第2号?第4号)の記入方法を詳しく解説しました。


押さえるべき重要ポイント


申請書本体の正確な記入

  • 001 建設業許可申請書:申請の基礎となる最重要書式
  • 002 役員一覧表:経管証明と整合
  • 003/004 営業所一覧表:専技配置と整合
  • 006 専任技術者一覧表:資格・経験を正確に記載


工事関係書類の作成

  • 007 工事経歴書:代表的な工事を選定、契約書と一致
  • 008 工事施工金額:損益計算書と整合
  • 009 使用人数:従業員数を正確に計上


書式間の整合性が最重要

  • 001の申請業種 ⇔ 006の専技一覧
  • 003/004の営業所 ⇔ 006の専技配置
  • 007の工事経歴 ⇔ 008の施工金額
  • 002の役員 ⇔ 経管証明(011または012)


よくあるミスを避ける

  • 登記簿との不一致
  • 専技の資格・経験と申請業種の不一致
  • 請負代金の単位ミス
  • 書式間の整合性ミス


記入前・記入後のチェックが重要

  • チェックリストを活用
  • 複数人で確認
  • 添付書類との照合


実務で成功するための必須ツール


申請書の正確な記入には、以下の書式が不可欠です:


申請書本体:

  • 001 建設業許可申請書(様式第1号)
  • 002 役員の一覧表(様式第1号別紙1)
  • 003 営業所一覧表【新規許可等】(様式第1号別紙2(1))
  • 004 営業所一覧表【更新】(様式第1号別紙2(2))
  • 006 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)


工事関係書類:

  • 007 工事経歴書(様式第2号)
  • 008 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
  • 009 使用人数(様式第4号)


これらの書式を正確に記入し、書式間の整合性を確保することが、審査通過の鍵です。特に、001の申請書は最重要書式であり、ここでのミスはすべての書式に影響します。


20年以上新人行政書士に使われ続けている「行政書士開業セット」の書式集については、以下のページで詳しく解説しています。


これらの資料には、001〜009のすべての書式の詳細な記入例、記入時の注意点、よくあるミスの回避方法など、実務で即使えるノウハウが凝縮されています。正確な記入例があれば、補正指摘を受けることなく、一発で審査を通過できます。


建設業許可申請書の書き方


次に読むべき記事


申請書の書き方を理解したら、次は申請手続きの流れを学びましょう。


  • 記事9:提出から許可までの流れ・審査期間・補正対応・手数料
  • 記事10:変更届・更新申請の実務


 
独学の前に→「おすすめの実務講座
基礎を理解した後は→「おすすめの実務本