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はじめに
![建設業許可の変更届・更新申請]()
建設業許可を取得したら終わりではありません。
許可取得後も、継続的な手続きが必要です。
役員の変更、本店の移転、専任技術者の交代など、一定の事項に変更があった場合は、2週間以内または30日以内に変更届を提出しなければなりません。
また、毎年の事業年度終了後4ヶ月以内に決算変更届を提出し、5年ごとに更新申請を行う必要があります。
これらの手続きを怠ると、建設業法違反となり、罰則や許可取消しの対象となる可能性があります。
特に、経営業務管理責任者や専任技術者が欠けた状態を放置すると、「要件欠如」として許可が取り消されるリスクがあります。
変更届の提出期限は、変更内容により「2週間以内」と「30日以内」の2種類があり、期限を間違えると違反となります。
また、決算変更届は毎年必ず提出が必要で、これを怠ると更新申請ができなくなります。
本記事では、建設業許可取得後の継続的な手続きを、変更届の種類と提出期限、様式第22号の2の記入方法、事業年度終了届、更新申請、要件欠如の届出、廃業届まで、詳しく解説します。
期限管理の実務、よくある届出漏れと罰則、年間スケジュールまで網羅し、許可を適正に維持できるよう、実務目線でお伝えします。
この記事で使う主な書式
![建設業許可の変更届・更新申請]()
許可取得後の手続きには、「(特典付き)行政書士開業セット」の中の以下の書式を使用します。
これらの書式は、許可取得後も継続的に使用する重要書類です。
変更届・廃業届(034〜037)
- 034 変更届出書(様式第22号の2)【第1面】 - 商号、代表者、本店、資本金、役員、経管、専技等の変更届出
- 035 変更届出書(様式第22号の2)【第2面】 - 営業所の新設、移転、廃止等の変更届出
- 036 届出書(様式第22号の3) - 要件欠如、廃業等の届出
- 037 廃業届(様式第22号の4) - 廃業時の届出
事業年度終了届で使用する書式
- 007 工事経歴書(様式第2号)
- 008 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
- 024〜030 財務諸表
変更届は、変更内容により使用する書式が異なります。また、提出期限も2週間以内と30日以内の2種類があり、期限を間違えないよう注意が必要です。
1. 許可取得後の手続き(全体像)
1-1. 許可取得後に必要な3つの手続き
![建設業許可の変更届・更新申請]()
建設業許可を取得した後、以下の3つの手続きが必要です。
@変更届
- 一定の事項に変更があった場合に提出
- 提出期限:2週間以内または30日以内(変更内容により異なる)
- 変更の都度提出
A事業年度終了届(決算変更届)
- 毎年、事業年度終了後4ヶ月以内に提出
- 工事経歴書、財務諸表等を提出
- 決算変更届とも呼ばれる
B更新申請
- 許可の有効期間(5年間)満了前に提出
- 有効期間満了日の30日前までに申請
- 5年ごとに必要
1-2. 手続きを怠った場合のリスク
![建設業許可の変更届・更新申請]()
変更届の提出遅延・未提出:
- 建設業法違反
- 罰則:6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金(建設業法第28条)
- 監督処分(指示、営業停止、許可取消し)の対象
事業年度終了届の未提出:
更新申請の遅延・失念:
- 許可が失効
- 再度、新規申請が必要(手数料も新規扱い)
要件欠如の放置:
- 経管または専技が欠けた状態を放置
- 許可取消し(建設業法第29条)
1-3. 期限管理の重要性
![建設業許可の変更届・更新申請]()
許可取得後の手続きは、期限管理が最も重要です。
期限管理のポイント:
- 変更届:変更日から起算して2週間以内または30日以内
- 事業年度終了届:事業年度終了日から4ヶ月以内
- 更新申請:有効期間満了日の30日前まで
管理方法:
- カレンダーに記入
- リマインダー設定
- 年間スケジュール表の作成
2. 変更届の種類と提出期限
2-1. 2週間以内の変更届(14項目)
![建設業許可の変更届・更新申請]()
以下の事項に変更があった場合、変更日から2週間以内に変更届を提出する必要があります。
| 番号 |
変更事項 |
使用書式 |
| 1 |
商号または名称 |
034(第1面) |
| 2 |
営業所の名称 |
035(第2面) |
| 3 |
営業所の所在地 |
035(第2面) |
| 4 |
営業所の新設 |
035(第2面) |
| 5 |
営業所の廃止 |
035(第2面) |
| 6 |
資本金額(法人のみ) |
034(第1面) |
| 7 |
役員等(法人) |
034(第1面) |
| 8 |
支配人(個人) |
034(第1面) |
| 9 |
令第3条に規定する使用人 |
034(第1面) |
| 10 |
経営業務の管理責任者 |
034(第1面) |
| 11 |
専任技術者 |
034(第1面) |
| 12 |
国家資格者等・監理技術者 |
034(第1面) |
| 13 |
健康保険等の加入状況 |
034(第1面) |
| 14 |
特定建設業の場合の財産的基礎の確認資料 |
034(第1面) |
実務のポイント:
- 「変更日」から起算して2週間以内
- 変更日:登記日(商号、役員等)、実際の移転日(営業所)、就任日(経管、専技)等
- 2週間は暦日計算(土日祝日を含む)
2-2. 30日以内の変更届(8項目)
![建設業許可の変更届・更新申請]()
以下の事項に変更があった場合、変更日から30日以内に変更届を提出する必要があります。
| 番号 |
変更事項 |
使用書式 |
| 1 |
法人の種類 |
034(第1面) |
| 2 |
営業所の業種の追加 |
035(第2面) |
| 3 |
営業所の業種の取りやめ |
035(第2面) |
| 4 |
法人の代表者 |
034(第1面) |
| 5 |
法人の本店所在地 |
034(第1面) |
| 6 |
個人の氏名 |
034(第1面) |
| 7 |
個人の営業所の所在地 |
034(第1面) |
| 8 |
個人の支配人 |
034(第1面) |
実務のポイント:
- 30日以内の変更届は、主に「主たる営業所(本店)」に関する事項
- 30日は暦日計算(土日祝日を含む)
2-3. 提出期限の判断に注意が必要な事項
代表者の変更:
- 代表者の氏名の変更 → 30日以内
- 代表者の交代(役員の変更を伴う) → 2週間以内と30日以内の両方
本店の移転:
- 本店所在地の変更 → 30日以内
- 本店が営業所の場合、営業所の所在地変更も発生 → 2週間以内も必要
実務のポイント:
- 1つの変更が、複数の変更届を必要とする場合がある
- それぞれの期限を確認し、期限内にすべて提出
3. 変更届出書(第1面)の記入方法
034 変更届出書(様式第22号の2)【第1面】は、商号、代表者、本店、資本金、役員、経管、専技等の変更を届け出る書式です。
![建設業許可の変更届・更新申請]()
3-1. 基本情報の記入
@届出先
- 「○○知事」または「国土交通大臣」
- 許可を受けた行政庁
A許可番号
- 許可通知書に記載されている許可番号
- 例:東京都知事許可(般-5)第12345号
B商号または名称
C代表者氏名
3-2. 変更事項の記入
D変更事項
- 該当する変更事項に○をつける
- 複数の変更がある場合は、該当するすべてに○
E変更年月日
F変更の内容
3-3. 変更内容別の記入例
商号の変更
変更事項:「商号又は名称」に○
変更年月日:登記日
変更の内容:
添付書類:
本店所在地の変更
変更事項:「主たる営業所の所在地」に○
変更年月日:登記日
変更の内容:
変更前:東京都新宿区○○1-2-3
変更後:東京都渋谷区△△4-5-6
添付書類:
実務のポイント:
- 本店が営業所の場合、035(第2面)での営業所の所在地変更届も必要(2週間以内)
資本金の変更
変更事項:「資本金額」に○
変更年月日:登記日(増資の効力発生日)
変更の内容:
添付書類:
役員の変更
変更事項:「役員等」に○
変更年月日:登記日(就任日または退任日)
変更の内容:
変更前:取締役 山田太郎、取締役 佐藤次郎
変更後:取締役 山田太郎、取締役 佐藤次郎、取締役 鈴木三郎(新任)
添付書類:
- 登記事項証明書(変更後のもの)
- 002 役員の一覧表(変更後のもの)
- 身分証明書、登記されていないことの証明書(新任役員分)
- 010 誓約書(新任役員を含む全役員が記名押印)
- 021 許可申請者の住所生年月日等に関する調書(新任役員分)
経営業務管理責任者の変更
変更事項:「経営業務の管理責任者等」に○
変更年月日:就任日(前任者の退任日、後任者の就任日)
変更の内容:
添付書類:
- 011 または 012(新任経管の証明書)
- 013〜015(新任経管の略歴書)
- 常勤性を証明する書類(健康保険証等)
- 経験年数を証明する書類(登記簿、確定申告書、工事契約書等)
重要:
- 経管の不在期間を作らないよう注意
- 前任者の退任日と後任者の就任日を同日にするのが望ましい
- 不在期間ができた場合は、036(要件欠如の届出)も必要
専任技術者の変更
変更事項:「専任技術者」に○
変更年月日:就任日
変更の内容:
変更前:本店 建築一式工事 鈴木三郎
変更後:本店 建築一式工事 田中四郎
添付書類:
- 006 専任技術者一覧表(変更後のもの)
- 017 専任技術者証明書(新任専技)
- 018 実務経験証明書(新任専技が実務経験の場合)
- 資格者証の写し(新任専技が国家資格の場合)
- 常勤性を証明する書類(健康保険証等)
重要:
- 専技の不在期間を作らないよう注意
- 営業所ごと、業種ごとに専技が必要
- 不在期間ができた場合は、036(要件欠如の届出)も必要
![建設業許可の変更届・更新申請]()
4. 変更届出書(第2面)の記入方法
035 変更届出書(様式第22号の2)【第2面】は、営業所の新設、移転、廃止、業種の追加・取りやめ等を届け出る書式です。
![建設業許可の変更届・更新申請]()
4-1. 営業所の新設
変更事項:「営業所の新設」に○
変更年月日:実際の営業開始日
変更の内容:
営業所名称:横浜支店
所在地:神奈川県横浜市○○区△△1-2-3
業種:建築一式工事、大工工事
専任技術者:山本五郎
添付書類:
- 003 営業所一覧表(新設後のすべての営業所)
- 006 専任技術者一覧表(新設後のすべての営業所)
- 017 専任技術者証明書(新営業所の専技)
- 018 実務経験証明書(専技が実務経験の場合)
- 資格者証の写し(専技が国家資格の場合)
- 常勤性を証明する書類(健康保険証等)
- 営業所の写真(都道府県により必要)
実務のポイント:
- 知事許可から大臣許可への許可換えが必要な場合あり(2つ目の都道府県に営業所を設置する場合)
- 新営業所に専技を配置する必要がある
4-2. 営業所の移転
変更事項:「営業所の所在地」に○
変更年月日:実際の移転日
変更の内容:
営業所名称:本店
変更前:東京都新宿区○○1-2-3
変更後:東京都渋谷区△△4-5-6
添付書類:
- 003 営業所一覧表(移転後のすべての営業所)
- 営業所の写真(都道府県により必要)
実務のポイント:
- 主たる営業所(本店)の移転の場合、034(第1面)での届出も必要(30日以内)
- 都道府県をまたぐ移転の場合、許可換えが必要な場合あり
4-3. 営業所の廃止
変更事項:「営業所の廃止」に○
変更年月日:実際の廃止日
変更の内容:
廃止営業所:横浜支店
所在地:神奈川県横浜市○○区△△1-2-3
添付書類:
- 003 営業所一覧表(廃止後の営業所のみ)
- 006 専任技術者一覧表(廃止後の営業所のみ)
実務のポイント:
- 大臣許可の場合、すべての営業所を1つの都道府県内にした場合、知事許可への許可換えが必要
4-4. 営業所の業種追加・取りやめ
変更事項:「営業所の業種の追加」または「営業所の業種の取りやめ」に○
変更年月日:追加・取りやめの日
変更の内容:
営業所名称:本店
追加業種:左官工事
専任技術者:鈴木三郎
添付書類:
- 003 営業所一覧表(変更後のすべての営業所)
- 006 専任技術者一覧表(変更後のすべての営業所)
- 017 専任技術者証明書(追加業種を担当する専技)
実務のポイント:
- 業種の追加は、その業種の専技がいることが前提
- 業種の取りやめは、その業種の工事を受注しなくなった場合に届出
5. 変更内容別の必要添付書類
変更届には、変更内容に応じた添付書類が必要です。主な変更内容別の添付書類を整理します。
| 変更内容 |
主な添付書類 |
| 商号の変更 |
登記事項証明書 |
| 本店所在地の変更 |
登記事項証明書 |
| 資本金の変更 |
登記事項証明書 |
| 役員の変更(新任) |
登記事項証明書、002役員一覧表、身分証明書・登記されていないことの証明書(新任役員分)、010誓約書、021調書 |
| 役員の変更(退任) |
登記事項証明書、002役員一覧表 |
| 経管の変更 |
011または012、013〜015、常勤性証明、経験年数証明 |
| 専技の変更 |
006専技一覧表、017専技証明書、018実務経験証明書(該当者)、資格者証の写し、常勤性証明 |
| 営業所の新設 |
003営業所一覧表、006専技一覧表、017専技証明書、018実務経験証明書(該当者)、資格者証の写し、常勤性証明、営業所の写真 |
| 営業所の移転 |
003営業所一覧表、営業所の写真 |
| 営業所の廃止 |
003営業所一覧表、006専技一覧表 |
| 健康保険加入状況の変更 |
016健康保険等の加入状況、健康保険証の写し、社会保険関係書類 |
実務のポイント:
- 都道府県により必要書類が異なる場合がある
- 変更届を提出する前に、都道府県の手引きで確認
6. 事業年度終了届(決算変更届)
![建設業許可の変更届・更新申請]()
6-1. 事業年度終了届とは
事業年度終了届:
- 毎年、事業年度終了後4ヶ月以内に提出する届出
- 決算変更届とも呼ばれる
- 工事経歴書、財務諸表等を提出
提出期限:
- 事業年度終了日から4ヶ月以内
- 例:3月決算の法人 → 7月末まで
- 例:個人事業主(12月末決算) → 4月末まで
提出義務者:
- すべての建設業許可業者
- 許可を受けている限り、毎年提出が必要
6-2. 提出書類
主な提出書類:
@007 工事経歴書(様式第2号)
A008 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
B財務諸表
- 法人:024〜028(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表、附属明細表)
- 個人:029、030(貸借対照表、損益計算書)
C009 使用人数(様式第4号)
D031 営業の沿革(様式第20号)
- 会社設立からの沿革(初回提出時のみ、以降は変更があれば更新)
E032 所属建設業者団体(様式第20号の2)
F033 主要取引金融機関名(様式第20号の3)
G確定申告書の写し
実務のポイント:
- 都道府県により必要書類が若干異なる
- 事前に都道府県の手引きで確認
6-3. 事業年度終了届の重要性
提出しないリスク:
- 更新申請ができない
- 監督処分の対象
- 公共工事の入札参加資格に影響
実務のポイント:
- 毎年必ず提出
- 決算確定後、速やかに作成・提出
- 期限(事業年度終了後4ヶ月以内)を厳守
7. 5年ごとの更新申請
![建設業許可の変更届・更新申請]()
7-1. 更新申請とは
更新申請:
- 許可の有効期間(5年間)満了前に行う申請
- 有効期間満了日の30日前までに提出
有効期間:
- 許可日から5年間
- 例:令和2年4月1日許可 → 令和7年3月31日まで有効
更新申請の期限:
- 有効期間満了日の30日前まで
- 例:令和7年3月31日満了 → 令和7年3月1日までに申請
7-2. 更新申請の手続き
提出書類:
- 新規申請とほぼ同じ書類
- 001〜037のうち該当するもの
- 添付書類(登記簿、身分証明書、資格者証等)
手数料:
審査期間:
実務のポイント:
- 更新申請中に有効期間が満了しても、審査中は許可が有効(みなし許可)
- ただし、30日前までに申請していることが条件
7-3. 更新申請時の確認事項
6要件の再確認:
- 経管、専技が引き続き在籍しているか
- 財産的基礎を満たしているか
- 社会保険に加入しているか
- 欠格要件に該当していないか
決算変更届の提出状況:
- 過去5年分の決算変更届がすべて提出されているか
- 未提出がある場合、更新申請と同時に提出
変更届の提出状況:
- 過去5年間の変更届がすべて提出されているか
- 未提出がある場合、速やかに提出
7-4. 更新を忘れた場合
許可失効:
- 有効期間満了日までに更新申請をしなかった場合、許可が失効
- 30日前までに申請していない場合、みなし許可が適用されず失効
再取得の方法:
- 新規申請として再度申請
- 手数料も新規扱い(知事9万円、大臣15万円)
- 許可番号も新しい番号になる
実務のポイント:
- 更新時期をカレンダーに記入
- 余裕を持って準備開始(6ヶ月前から)
8. 要件欠如の届出(様式第22号の3)
![建設業許可の変更届・更新申請]()
8-1. 要件欠如とは
要件欠如:
- 許可の6要件のうち、いずれかを満たさなくなった状態
- 特に、経管または専技が欠けた状態
届出義務:
- 要件欠如が生じた場合、2週間以内に届出
- 036 届出書(様式第22号の3)を使用
8-2. 要件欠如のリスク
許可取消し:
- 要件欠如を2週間以内に解消しない場合、許可取消し(建設業法第29条)
- 解消する見込みがあっても、長期間放置すると取消しの対象
実務のポイント:
- 経管または専技が退職、死亡等で欠けた場合、速やかに後任を確保
- 2週間以内に後任が確保できない場合でも、要件欠如の届出を提出
- その後、速やかに後任を確保し、変更届を提出
8-3. 要件欠如の届出書の記入方法
記入項目:
@届出先
A許可番号
B届出事項
- 「経営業務の管理責任者等が欠けたこと」または「営業所の専任技術者が欠けたこと」に○
C欠如の内容
記入例:
経営業務の管理責任者 山田太郎が、令和○年○月○日付で退職したため、経営業務の管理責任者が欠けた。
D解消の見込み
9. 廃業届(様式第22号の4)
![建設業許可の変更届・更新申請]()
9-1. 廃業届とは
廃業届:
- 建設業を廃業した場合、または許可が不要になった場合に提出する届出
- 037 廃業届(様式第22号の4)を使用
提出期限:
9-2. 6つの廃業事由
廃業届が必要な6つの事由:
@個人事業主の死亡
A法人の合併による消滅
- 合併により法人が消滅した場合
- 存続会社または新設会社が廃業届を提出
B法人の破産手続開始の決定
- 破産手続開始の決定を受けた場合
- 破産管財人が廃業届を提出
C法人の解散
- 株主総会で解散決議をした場合
- 清算人が廃業届を提出
D建設業の全部を譲渡した場合
- 事業譲渡により建設業を譲渡した場合
- 譲渡人が廃業届を提出
E許可の全部を廃止した場合
- 建設業を廃業し、許可が不要になった場合
- 事業主が廃業届を提出
9-3. 廃業届の記入方法
記入項目:
@届出先
A許可番号
B廃業事由
C廃業年月日
- 死亡日、合併日、破産手続開始決定日、解散日、譲渡日、廃止日
添付書類:
- 廃業事由により異なる
- 死亡診断書(死亡の場合)
- 登記事項証明書(合併、解散の場合)
- 破産手続開始決定通知書(破産の場合)
10. 期限管理の実務
![建設業許可の変更届・更新申請]()
10-1. 年間スケジュールの作成
年間スケジュール例(3月決算の法人):
| 月 |
手続き |
期限 |
| 3月 |
決算 |
- |
| 5月 |
確定申告 |
決算後2ヶ月以内 |
| 7月 |
事業年度終了届 |
決算後4ヶ月以内(7月末まで) |
| 3月 |
更新申請(5年ごと) |
有効期間満了30日前まで |
| 随時 |
変更届 |
変更日から2週間以内または30日以内 |
10-2. 期限管理のツール
カレンダー管理:
- 決算変更届の提出期限(毎年7月末等)
- 更新申請の期限(5年ごと)
- Googleカレンダー、Outlookカレンダー等でリマインダー設定
台帳管理:
- 変更届の提出状況を台帳で管理
- 役員変更、専技変更等の履歴を記録
チェックリスト:
![建設業許可の変更届・更新申請]()
10-3. よくある届出漏れと罰則
よくある届出漏れ:
@役員変更の届出漏れ
- 役員が就任・退任したが、変更届を提出していない
- 期限:2週間以内
A専技変更の届出漏れ
- 専技が退職したが、変更届を提出していない
- 期限:2週間以内
B本店移転の届出漏れ
- 本店を移転したが、変更届を提出していない
- 期限:30日以内
C決算変更届の未提出
- 事業年度終了後4ヶ月以内に提出していない
- 数年分溜まっているケースもあり
罰則:
- 6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金(建設業法第28条)
- 監督処分(指示、営業停止、許可取消し)
実務のポイント:
- 届出漏れに気づいたら、速やかに提出
- 遅延理由書を添付する場合もあり
まとめ
![建設業許可の変更届・更新申請]()
本記事では、建設業許可取得後の継続的な手続きを、変更届、事業年度終了届、更新申請、要件欠如の届出、廃業届まで詳しく解説しました。
押さえるべき重要ポイント
変更届の提出期限
- 2週間以内:商号、営業所、資本金、役員、経管、専技等(14項目)
- 30日以内:法人の種類、代表者、本店所在地、業種の追加・取りやめ等(8項目)
- 期限の起算日:変更日(登記日、実際の移転日、就任日等)
変更届の書式
- 034 変更届出書【第1面】:商号、代表者、本店、資本金、役員、経管、専技等
- 035 変更届出書【第2面】:営業所の新設、移転、廃止、業種の追加・取りやめ
事業年度終了届
- 提出期限:事業年度終了後4ヶ月以内
- 提出書類:工事経歴書、工事施工金額、財務諸表、使用人数等
- 毎年必ず提出(未提出は更新申請不可)
更新申請
- 提出期限:有効期間満了日の30日前まで
- 有効期間:5年間
- 手数料:知事5万円、大臣5万円
- 忘れると許可失効
要件欠如の届出
- 036 届出書(様式第22号の3)
- 経管または専技が欠けた場合、2週間以内に届出
- 速やかに解消しないと許可取消し
廃業届
- 037 廃業届(様式第22号の4)
- 6つの廃業事由:死亡、合併、破産、解散、譲渡、廃止
- 提出期限:廃業等の日から30日以内
期限管理の重要性
- カレンダー、リマインダー、チェックリストで管理
- 届出漏れは建設業法違反、罰則あり
- 監督処分(指示、営業停止、許可取消し)のリスク
実務で成功するための必須ツール
許可取得後の手続きを適正に行うには、以下の書式が不可欠です:
変更届・廃業届:
- 034 変更届出書(様式第22号の2)【第1面】
- 035 変更届出書(様式第22号の2)【第2面】
- 036 届出書(様式第22号の3)
- 037 廃業届(様式第22号の4)
事業年度終了届用:
- 007 工事経歴書(様式第2号)
- 008 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
- 024〜030 財務諸表
- 009 使用人数(様式第4号)
- 031〜033 補足書類
これらの書式を正確に作成し、期限を厳守することが、許可を適正に維持する鍵です。特に、経管・専技の変更は要件に直結するため、不在期間を作らないよう注意が必要です。
20年以上新人行政書士に使われ続けている「
行政書士開業セット」の書式集については、以下のページで詳しく解説しています。
これらの資料には、034〜037の詳細な記入例、変更内容別の添付書類、期限管理のノウハウ、よくある届出漏れの回避方法など、実務で即使えるノウハウが凝縮されています。正確な書式と計画的な期限管理があれば、許可を適正に維持できます。
![建設業許可の変更届・更新申請]()
シリーズ完結
本記事で、建設業許可申請完全ガイド全10記事が完結しました。
全記事一覧:
- [記事1] 建設業許可とは?全体像と6つの要件
- [記事2] 経営業務管理責任者の要件と証明方法
- [記事3] 専任技術者の要件と証明方法
- [記事4] 誠実性・欠格要件の確認実務
- [記事5] 財産的基礎の要件と財務諸表の作成実務
- [記事6] 社会保険加入要件の詳細
- [記事7] 必要書類一覧と収集の実務フロー
- [記事8] 申請書の書き方完全ガイド
- [記事9] 申請の流れを徹底解説
- [記事10] 変更届・更新申請を完全解説
- [カテゴリーページ] 建設業許可申請完全ガイド
これらの記事で、建設業許可申請業務の全体像から、6要件の詳細、申請書の書き方、手続きの流れ、許可取得後の継続手続きまで、実務に必要なすべての知識を網羅しました。新人行政書士の皆様が、自信を持って建設業許可申請業務を受任できることを願っています。