【2020年度】行政書士試験の総評・難易度から考える来年の対策



2020年度試験が示した「本当に怖い」現実


2020年度(令和2年度)行政書士試験の合格率は10.72%。前年度から約0.8ポイント低下し、過去10年で最も低い水準となりました。受験者数41,681名のうち、合格できたのはわずか4,470名です。


この数字が意味するのは、10人中9人が不合格になる試験だということ。しかも2020年は民法改正、コロナ禍という特殊な状況が重なった年でした。独学で挑んだ多くの受験生が、憲法の難化という「想定外」の事態に対応できず、涙を飲む結果となったのです。


「来年こそは」と思っているあなた。2020年度試験の詳細な分析から見えてきた「合格できない受験生の共通点」と「確実に合格するための戦略」を、今この瞬間から理解してください。特に独学で苦戦している方は、この分析が今後の学習方針を大きく変えるきっかけになるはずです。
【2020年度】行政書士試験の総評


2020年度試験で「明暗を分けた」ポイント


憲法の難化が引き起こした「合否の分岐点」


2020年度試験の最大の特徴は、憲法の顕著な難化でした。多肢選択式が易しく、一般知識も標準的だったにもかかわらず、憲法の失点が合否を大きく左右する結果となったのです。


合格者の多くが口を揃えて言うのは「憲法で予想以上に点数を落とした」という事実。6問中2〜3問しか正解できなかった受験生が続出しました。特に独学者の中には、過去問で安定して高得点を取れていたにもかかわらず、本番では想定外の出題形式に戸惑い、大きく失点したケースが目立ちます。


合格者と不合格者の決定的な差
憲法で失点しても、他の科目、特に行政法と記述式でカバーできた受験生が合格を勝ち取りました。つまり「1科目の失敗を想定した戦略」を持っていたかどうかが、明暗を分けたのです。
合格者の多くは、難化傾向を事前に予測し、行政法に学習時間を重点配分していました。この「戦略的な時間配分」ができていたかどうかが、合否の分水嶺となりました。


【2020年度】行政書士試験の総評


2020年度が示した「試験の質的変化」


2020年度試験のもう一つの重要な特徴は、「単なる知識の暗記では通用しない問題」が増加したことです。特に憲法では、判例の結論を知っているだけでは解けない、事案の理解と論理的思考を要求する問題が出題されました。


これは行政書士試験が、単なる「知識確認試験」から「実務能力を測る試験」へと質的に変化していることを示唆しています。2021年度以降も、この傾向は継続すると予想されます。


過去問を何周も繰り返したのに不合格だった受験生の多くは、「なぜその答えになるのか」という本質的理解が不足していた可能性が高いのです。


【2020年度】行政書士試験の総評


科目別・徹底分析〜あなたはどこで点数を稼ぎますか?



科目 配点 問題数 難易度評価 重要度 特記事項
基礎法学 8 2問 標準 基本的問題
憲法 28 5問+1問 難化が顕著
行政法 112 19問+2問+1問 標準 最重要 標準的出題
民法 76 9問+2問 標準 重要 取り組みやすい
商法 20 5問 やや易 商法がやや易
多肢選択 24 3問 多肢選択が易
記述式 60 3問 標準 記述式標準
一般知識 56 14問 やや難 時事問題あり


基礎法学(配点8点・2問):深追い厳禁の科目


2020年度の難易度:標準


基礎法学は法律の基礎概念を問う標準的な問題でした。憲法や行政法の知識があれば対応可能な内容です。ただし、範囲が広く対策が難しいため、費用対効果を考えた学習が必要です。


2020年度の出題内容


  • 問題1:法の解釈に関する基本的な考え方
  • 問題2:法律用語の基礎知識

いずれも他科目の学習で得た知識を応用できる内容でした。独学者でも十分に対応可能ですが、時間をかけすぎないことが重要です。


来年への実践的対策


  • 他科目の知識を最大限活用する:憲法や行政法の学習が、自然と基礎法学対策になります。別途時間を割く必要は最小限にしましょう
  • 時間配分を間違えない:2問8点のために時間を使いすぎるのは戦略ミスです。本番では1問あたり2〜3分が目安です
  • 「2問中1問取れれば十分」という割り切り:完璧主義は捨てましょう。わからない問題は潔く飛ばす勇気も必要です
  • 過去問5年分で出題傾向を掴む:深く学習するのではなく、「どんな問題が出るのか」を知ることが目的です


憲法(配点28点・6問):2020年度最大の難関科目


2020年度の難易度:難(難化が顕著)


2020年度憲法は多くの受験生を苦しめました。判例問題が中心で、基本判例だけでなく応用的な判例も出題。問題41(多肢選択式)も高難度で、28点満点中20点確保できた受験生は少数派でした。


2020年度の具体的な難化ポイント


  • 判例の「事案」と「結論」だけでなく、「判断過程」まで問う問題が増加
  • 複数の判例を横断的に理解していないと解けない問題が出題
  • 条文知識だけでは対応できない、判例理論の深い理解を要する問題
  • 多肢選択式では、判例の重要フレーズを正確に記憶していないと解答困難


独学者の多くが苦戦したのは、判例を「結論の暗記」で済ませていたためです。2020年度の問題は、事案を正確に理解し、なぜその結論に至ったのかという論理を追える受験生でなければ正解できない内容でした。


憲法攻略の重要ポイント


憲法は「暗記科目」ではなく「理解科目」です。判例百選を読み込み、事案・争点・判旨の三点セットで理解することが不可欠。
独学でこのレベルに到達するのは容易ではありません。
多くの合格者が「予備校の判例解説講義で、判例の本質的な理解ができた」と振り返っています。特に2020年度のような難化傾向では、表面的な知識ではなく、体系的な理解が求められます。


来年への実践的対策


  • 2021年度も難化傾向が続くと想定する:2020年度の難化は一時的なものではない可能性が高いです。より深い理解が求められます
  • 判例の「論理」を理解する:事案・争点・判旨をセットで理解し、「なぜその結論になったのか」という思考プロセスを追いかけましょう。単に結論を暗記するのではなく、裁判所の判断基準を理解することが重要です
  • 判例相互の関連性を把握する:同じテーマの判例を横断的に学習し、判例理論の発展過程を理解しましょう
  • 人権分野と統治分野で学習法を変える:人権分野は判例中心、統治分野は条文中心。それぞれに最適な学習法があります
  • 多肢選択式対策も同時進行:判例の重要フレーズや条文の重要語句を意識的に暗記しましょう。特に「である」「でなければならない」などの言い回しの違いに注意
  • 目標得点は28点中20点:6問中3〜4問正解+多肢選択で部分点を狙う戦略です。満点は狙わず、確実に取れる問題を見極めましょう


【2020年度】行政書士試験の総評


行政法(配点112点・22問):絶対に落とせない最重要科目


2020年度の難易度:標準


2020年度行政法は標準的な出題でした。行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法とバランス良く出題され、過去問学習をしっかりしていた受験生が報われる内容でした。


配点112点という圧倒的な比重。ここで稼げなければ合格はありません。2020年度の合格者の多くは、行政法で19問中15問以上の正解を確保していました。


2020年度の出題傾向


  • 行政手続法:申請に対する処分、不利益処分、行政指導など基本論点中心
  • 行政不服審査法:審査請求の要件、審理手続、裁決など頻出論点
  • 行政事件訴訟法:訴訟要件、処分性、原告適格など重要判例を含む
  • 地方自治法、行政手続法以外の個別法からもバランス良く出題


標準的な出題とはいえ、条文の正確な理解と判例の事案把握が求められる内容でした。過去問を「答えを覚える」だけの学習では対応できない、思考力を問う問題も含まれていました。


来年への実践的対策


  • 過去問は「答え」ではなく「理由」を理解する:単に正解を覚えるのではなく、なぜその答えになるのかという思考プロセスを身につけましょう。選択肢の一つ一つについて、なぜ正しいのか、なぜ間違っているのかを説明できるレベルを目指してください
  • 条文を「読み込む」習慣:行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法は、テキストの要約ではなく条文そのものを精読してください。六法を手元に置き、常に条文を確認する習慣をつけましょう
  • 判例は事案と結論をセットで記憶:事案を正確に把握し、結論に至る論理を理解することが重要です。特に行政事件訴訟法の判例は、事案の細部が結論を左右することが多いため注意が必要です
  • 体系的理解を重視:個々の条文や判例を暗記するだけでなく、行政法全体の体系の中での位置づけを理解しましょう。「行政活動の流れ」に沿って知識を整理すると効果的です
  • 記述式を意識した学習:行政法からは記述式が1問出題されます。択一式の学習でも、常に「これを記述で説明できるか」を意識しましょう
  • 目標得点は19問中15〜16問正解:行政法は努力が最も報われる科目です。ここで高得点を確保することが合格への最短ルートです


行政法学習の落とし穴


行政法は過去問の繰り返しで高得点が狙える科目ですが、2020年度のように「過去問の知識を応用する力」が問われる問題も出題されています。
独学者の中には、過去問を10周以上繰り返したのに本番で失点するケースがあります。
これは「暗記」に頼り、「理解」が不足しているためです。予備校の講義では、条文や判例の背景にある制度趣旨まで解説されるため、応用力が身につきやすいのです。


【2020年度】行政書士試験の総評


民法(配点76点・11問):改正対応が合否の分かれ目


2020年度の難易度:標準(取り組みやすい)


2020年度民法は取り組みやすい内容でした。2020年4月に改正民法が施行されたばかりですが、基本的な内容が中心。記述式も標準的な難易度でした。


ただし、「取り組みやすい」といっても、改正民法への正確な理解が前提です。改正前の知識で学習していた受験生は、思わぬ失点をしたケースもありました。


2020年度の出題内容と改正民法の影響


  • 総則分野:意思表示、代理など基本論点(改正の影響あり)
  • 物権分野:所有権、抵当権など頻出論点
  • 債権分野:契約総論、売買、賃貸借など(改正の影響大)
  • 家族法・相続法:基本的な出題


改正民法で大きく変わった「債権総論」「債権各論」からの出題が目立ちました。特に連帯債務、保証、賃貸借などは改正内容を正確に理解していないと正解できない問題でした。


来年への実践的対策


  • 改正民法への対応を完璧にする:改正民法対応の学習教材を使用し、新しい法律概念を正確に理解しましょう。特に「配偶者居住権」「特別の寄与」など新設された制度は要注意です
  • 改正前後の違いを明確に:改正によって何が変わったのかを明確に理解しましょう。改正前の知識が残っていると、混乱の原因になります
  • 総則・物権・債権で6割確保を目指す:民法は5分野ありますが、総則・物権・債権が頻出。この3分野で9問中6問取ることを目標にしましょう
  • 条文の正確な理解が基本:民法は条文が1050条と膨大ですが、主要条文は正確に理解してください。条文の言い回しの違い(「できる」「しなければならない」など)に注意しましょう
  • 判例も確実に押さえる:重要判例は事案と結論を理解しましょう。特に不法行為、不動産物権変動、債務不履行などの分野は判例が重要です
  • 具体例で理解を深める:抽象的な条文理解だけでなく、具体的な事例に当てはめて考える訓練をしましょう
  • 記述式対策を怠らない:民法は記述式で2問40点出題されます。物権(登記・抵当権)と契約(売買・請負)が頻出分野です。日頃から論理的に記述する練習をしましょう
  • 目標得点は択一24〜28点+記述30点:合計55〜60点を確保しましょう。これが合格ラインの一つの目安です


改正民法対応の重要性


2021年度以降、改正民法からの出題はさらに増加すると予想されます。
独学の場合、改正内容を正確に理解するのは容易ではありません。改正の背景や趣旨まで理解することで、応用問題にも対応できる力が身につきます。


【2020年度】行政書士試験の総評


商法・会社法(配点20点・5問):コスパ重視で攻略


2020年度の難易度:やや易


2020年度は商法・会社法が比較的やさしい内容でした。基本的な知識で対応可能な問題が多く、正答率も高めでした。


2020年度の出題内容


  • 株式会社の設立、株式、機関など基本事項
  • 計算規定の基礎
  • 商行為法の基本概念


いずれも教科書レベルの基本知識で対応可能な内容でした。ただし、条文の細かい言い回しを問う問題もあり、正確な知識が求められました。


来年への実践的対策


  • 深入りは禁物、効率重視の学習:5問20点と配点が少なく範囲は広いため、基本事項に絞った学習が効果的です。全範囲を完璧にしようとするのは非効率です
  • 株式会社の基本事項を完璧に:設立、株式、機関(株主総会・取締役・取締役会)、計算が頻出分野です。これらの基本事項を確実にマスターしましょう
  • 条文の正確な理解:商法・会社法は条文そのものを問う問題が多いです。主要条文は正確に理解しましょう
  • 過去問で出題傾向を把握:過去10年分の過去問を解き、頻出分野を特定しましょう。その分野に学習を集中させることが効率的です
  • 目標得点は5問中2〜3問:完璧を目指さず、確実に取れる問題を取る戦略です。5問中3問正解できれば十分です


多肢選択式(配点24点・3問):2020年度は「易しかった」科目


2020年度の難易度:易


2020年度多肢選択式は易しい内容でした。問題41(憲法)、問題42(行政法)、問題43(行政法)ともに、基礎知識があれば部分点を獲得できる問題でした。


2020年度の具体的な内容


  • 問題41(憲法):判例の重要フレーズを問う問題。文脈から推測可能
  • 問題42(行政法):行政手続法の条文知識を問う問題。基本知識で対応可能
  • 問題43(行政法):行政不服審査法の基本用語。文章の流れから判断可能


いずれも「知識がなければ絶対に解けない」というレベルではなく、基礎知識と読解力があれば部分点を狙える内容でした。


来年への実践的対策


  • 「長文読解の法律版」として捉える:多肢選択は知識問題ではなく、文脈から適切な語句を推測する読解力の問題です。知識だけに頼らず、文章全体の流れを意識しましょう
  • 空欄前後のヒントを徹底的に探す:同じ空欄が複数ある場合、2つ目以降の空欄の前後により明確なヒントがあることが多いです。我慢してヒントを探し続けましょう
  • 日本語として自然かどうかを判断基準に:選択肢を当てはめた時の文章の自然さで判断しましょう。法律文は論理的な文章なので、不自然な言い回しは誤りの可能性が高いです
  • 基礎知識を総動員:行政法の基本用語や憲法の基本概念を正確に理解していることが前提です。択一式の学習が多肢選択式対策にもなります
  • 判例の重要フレーズを暗記:特に憲法判例の重要フレーズは暗記しておくと有利です。「である」「でなければならない」などの言い回しの違いに注意
  • 部分点を狙う姿勢:8点満点の問題で、4つ全て正解でなくても2〜3つ正解できれば十分です。諦めずに取り組みましょう
  • 目標得点は24点中16点以上:3問中2問で満点、1問で部分点を狙いましょう


記述式(配点60点・3問):ここで差がつく高配点科目


2020年度の難易度:標準


2020年度記述式は3問とも標準的な難易度でした。問題44は行政法(土地区画整理法)、問題45・46は民法(詐欺と意思表示など)が出題され、定型的な論点が中心で過去問学習をしていれば対応可能な内容でした。


2020年度の具体的な出題内容


  • 問題44(行政法・20点):土地区画整理法における処分の取消訴訟。行政事件訴訟法の基本知識で対応可能
  • 問題45(民法・20点):詐欺による意思表示の取消しと第三者保護。民法の基本論点
  • 問題46(民法・20点):債務不履行と損害賠償。頻出論点で対策しやすい


いずれも40字程度での簡潔な記述が求められました。法律用語を正確に使い、論理的に記述できれば高得点が狙える内容でした。


来年への実践的対策


  • 過去問の徹底分析から始める:記述式は出題パターンがある程度固まっています。過去10年分を分析し、頻出論点を洗い出しましょう。行政法では行政事件訴訟法、民法では物権変動や契約が頻出です
  • 答案構成力を養成する:いきなり書き始めるのではなく、「何を問われているか→必要な法的知識→答案の骨子」という流れで構成を考える訓練をしましょう
  • 法律用語を正確に使う:法律用語の正確な使用が採点上重要です。「取り消すことができる」と「無効である」の違いなど、用語の使い分けを意識しましょう
  • 論理的な文章構成:「?だから?である」という論理展開を意識しましょう。結論だけでなく、理由も簡潔に記述することが重要です
  • 40字程度で簡潔に記述:2020年度の解答例は40字程度でした。冗長にならず、ポイントを押さえて簡潔に書く訓練をしましょう
  • 部分点を狙う姿勢を忘れない:完璧な答案でなくても、キーワードが含まれていれば部分点が期待できます。白紙だけは避け、知っている限りの情報を記述しましょう
  • 時間配分を徹底する:3問で15分という目標時間を設定し、時間内に3問全てに手をつける練習をしましょう。1問5分が目安です
  • 添削を受ける重要性:記述式は自己採点が困難です。可能であれば、専門家による添削を受けることを強くお勧めします
  • 目標得点は60点中40点以上:各問で部分点を含めて12〜15点ずつ獲得することを目指しましょう


記述式攻略の鍵


記述式は独学で最も苦戦する分野の一つです。「何を書けばいいのかわからない」「書いた内容が合っているか不安」という声が多く聞かれます。
記述式で高得点を取る受験生の多くは、予備校の記述式対策講座や答案添削サービスを利用しています。第三者の目で答案をチェックしてもらうことで、自分では気づかない問題点を発見できるからです。


【2020年度】行政書士試験の総評


一般知識等(配点56点・14問):足切りの恐怖


2020年度の難易度:やや難


2020年度はやや難しい内容でした。時事問題の出題が目立ち、過去問学習だけでは対応困難な部分がありました。


2020年度の出題内容


  • 政治・経済・社会(7問):新型コロナウイルス関連、SDGs、国際情勢など時事問題が多数
  • 情報通信・個人情報保護(4問):個人情報保護法、情報セキュリティなど
  • 文章理解(3問):標準的な長文読解


特に時事問題の比重が高く、日頃からニュースに触れていない受験生は苦戦しました。一方、文章理解は標準的で、ここで確実に得点できたかが重要でした。


来年への実践的対策


  • 文章理解は絶対に落とさない:3問12点は確実に取りましょう。国語の長文読解として、毎日少しずつ練習することが効果的です。新聞の社説や評論文を読む習慣をつけましょう
  • 政治・経済・社会は時事問題対策が重要:日頃からニュースに敏感になることが重要です。特に以下の分野は要注意!

    • 国際情勢(G7、G20、国連など)

    • 日本の政治・経済政策

    • 環境問題(SDGs、気候変動など)

    • 社会問題(少子高齢化、働き方改革など)

  • 情報通信・個人情報保護は過去問中心:個人情報保護法は頻出分野。過去問で出題パターンを掴みましょう。情報セキュリティの基本用語も押さえてください
  • 広く浅く学習する:一般知識は範囲が広いため、深入りは禁物です。基本的な知識を広く押さえることが重要です
  • 時事問題集の活用:市販の時事問題集や予備校の時事対策講座を活用しましょう。効率的に最新情報を学べます
  • 目標得点は14問中8問:足切りの6問ではなく、余裕を持って8問正解を目指しましょう。文章理解3問+α5問が一つの目安です


【2020年度】行政書士試験の総評


2021年度試験で確実に合格するための戦略


独学と予備校利用、どちらを選ぶべきか


2020年度試験の結果を分析すると、一つの重要な事実が浮かび上がります。それは、試験の質的変化に対応できた受験生が合格を勝ち取ったということです。


憲法の難化、民法改正への対応、記述式での論理的記述力。これらは単なる「知識の量」では対応できません。「正しい理解」と「応用力」が求められているのです。


【2020年度試験が示した重要なメッセージ】


合格者の多くが共通して語るのは、「過去問を何周もしたが、本番では見たことのない角度から問われた」という経験です。特に憲法では、判例の結論を知っているだけでは解けない問題が出題されました。
このような問題に対応するには、表面的な知識ではなく、法律の体系的理解と論理的思考力が不可欠です。独学でこのレベルに到達するのは、時間的にも労力的にも大きな負担となります。


【予備校利用の具体的メリット】


2020年度の試験傾向を踏まえると、予備校利用には以下のような明確なメリットがあります。


  • 改正民法への完全対応:2020年改正民法の内容を、改正の背景や趣旨を含めて体系的に学べます。独学では見落としがちな細かい改正点も網羅されます
  • 判例の本質的理解:特に憲法では、判例の事案・争点・判旨を深く理解することが重要です。予備校の講義では、判例の背景や裁判所の判断基準まで詳しく解説されます
  • 記述式対策の充実:答案の書き方、法律用語の使い方、論理展開の方法など、独学では習得困難なスキルを学べます。添削指導により、自分の弱点を客観的に把握できます
  • 学習の効率化:頻出分野と捨て問の見極めなど、効率的な学習方法を教えてもらえます。限られた時間で最大の効果を上げることができます
  • 最新の試験傾向への対応:2020年度のような難化傾向や出題形式の変化にも、迅速に対応したカリキュラムが提供されます
  • モチベーション維持:長期間の学習では、モチベーション維持が重要です。予備校では同じ目標を持つ仲間との交流や、講師からの励ましが得られます


特に、仕事や家事と両立しながら学習する社会人受験生にとって、限られた時間で効率的に合格レベルに到達するためには、予備校の体系的なカリキュラムが有効です。


もちろん、独学でも合格は可能です。しかし2020年度試験が示したように、試験は年々難化・複雑化しています。「今年こそは確実に合格したい」と考えるなら、予備校利用も真剣に検討する価値があるでしょう。


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過去問学習の「正しい」やり方


行政書士試験において過去問学習は必須ですが、「過去問を何周したか」ではなく「なぜその答えになるのかを理解したか」が重要です。


2020年度試験で不合格だった受験生の多くが、「過去問は10周以上やった」と語ります。しかし問題は、周回数ではなく理解の深さなのです。


【効果的な過去問の使い方】

  • 学習の最初に使う:実力試しではなく、出題論点を把握するために最初に過去問を解きましょう。「どこが頻出なのか」「どのレベルまで理解が必要なのか」を知ることが目的です
  • 全ての選択肢を検証する:正解肢だけでなく、誤りの選択肢がなぜ誤りなのかを理解しましょう。1問から5倍の学びを得られます。「この選択肢はどの条文・判例と矛盾するのか」まで確認してください
  • 論点ノートを作成する:「この問題はどの論点を問うているのか」「判断のポイントは何か」を整理したノートを作りましょう。直前期の強力な武器になります
  • 年数より理解の深さ:10年分を浅く解くより、5年分を深く理解する方が効果的です。特に直近3年分は徹底的に分析しましょう
  • 「なぜ」を常に問う:「なぜこれが正解なのか」「なぜこれは誤りなのか」を常に考える習慣をつけましょう。この思考プロセスが、本番での応用力につながります
  • 解説を読み込む:問題を解いた後は、必ず解説を熟読しましょう。解説には出題者の意図や、問題の背景知識が含まれています


推奨過去問の範囲
現行試験制度(2006年以降)から、または直近10年分が目安です。民法は必ず2020年改正民法対応版を使用しましょう。古い過去問を使うと、改正前の内容で学習してしまう危険があります。


科目別学習時間配分の最適解


合格に必要な総学習時間は600〜1,000時間と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、法律初学者か既習者か、独学か予備校利用かによって大きく変わります。


重要なのは総時間数ではなく、科目ごとの適切な配分です。2020年度試験の結果を踏まえた、推奨配分は以下の通りです。


  • 行政法:35%程度(210〜350時間):最も配点が高く、努力が報われる科目。ここに最も時間を割くべきです
  • 民法:30%程度(180〜300時間):改正民法への対応が重要。記述式対策も含めて十分な時間を確保しましょう
  • 憲法:15%程度(90〜150時間):2020年度難化への対応を重視。判例の深い理解に時間をかけましょう
  • 商法・基礎法学:10%程度(60〜100時間):効率重視で基本を押さえる。深入りは禁物です
  • 一般知識:10%程度(60〜100時間):文章理解の訓練と、時事問題対策を中心に


この配分は2020年度試験の合格者の実際の学習データを基にしています。ただし、個人の得意・不得意によって調整が必要です。


【2020年度】行政書士試験の総評


月次学習スケジュールの実例


年間を通じた学習スケジュールを立てることが、計画的な合格への鍵です。以下は標準的なスケジュール例です。


12月〜2月(基礎固め期)

  • テキストの通読と基本講義の視聴(予備校利用の場合)
  • 行政法・民法の基礎概念の理解
  • 肢別過去問で各論点の確認
  • この時期の目標:全体像の把握と基本用語の理解


3月〜5月(知識定着期)

  • 過去問演習の開始(1周目)
  • 判例の理解と整理(特に憲法・行政法)
  • 苦手分野の洗い出しと補強
  • この時期の目標:主要論点の理解と、過去問正答率60%


6月〜8月(応用力養成期)

  • 過去問演習(2周目以降)
  • 記述式対策の本格開始
  • 横断的知識の整理(科目間の関連性を意識)
  • 改正民法の徹底理解
  • この時期の目標:過去問正答率80%、記述式の基本パターン習得


9月〜10月(実戦力強化期)

  • 模試の受験(最低2回、できれば3〜4回)
  • 多肢選択式の集中対策
  • 過去問の総復習
  • 時事問題対策(一般知識)
  • この時期の目標:本番想定の時間配分で180点以上


11月(直前期)

  • 総まとめと弱点補強
  • 時間配分の最終確認
  • メンタルコンディショニング
  • 新しいことは学ばず、既習事項の反復
  • この時期の目標:自信を持って本番に臨める状態を作る


このスケジュールは、平日2〜3時間、休日5〜6時間の学習を想定しています。仕事や家事との両立が難しい場合は、予備校のカリキュラムに沿って進めることで、効率的に学習できます。


【2020年度】行政書士試験の総評


本試験での時間配分と解答順序


試験時間は3時間(180分)です。この限られた時間で300点分の問題を解くには、戦略的な時間配分が不可欠です。


推奨解答順序(個人差があるので要調整)


  • 一般知識(25分):足切り科目を先に片付ける。特に文章理解は頭が疲れていないうちに解くのがお勧めです
  • 多肢選択(15分):時間をかけすぎない。1問5分が目安です
  • 記述式(15分):3問全てに手をつける。1問5分で、とにかく何か書くことが重要です
  • 5肢択一式(115分):基礎法学(5分)→憲法(20分)→行政法(50〜60分)→民法(30〜40分)→商法(10分)の順
  • 見直し(10分):マークミスの確認と、飛ばした問題への再挑戦


時間配分の鉄則

  • 行政法に最も時間を割く(50〜60分):配点が最も高く、時間をかけた分だけ得点できる科目です
  • わからない問題は飛ばし、後で戻る:1問に3分以上かけないこと。悩む時間があれば、他の問題を解きましょう
  • 記述式で時間を使いすぎない(1問5分目安):記述式は部分点狙い。完璧な答案を目指すより、全問に手をつけることを優先
  • 足切り科目(一般知識)を最優先:どんなに他で高得点を取っても、足切りに引っかかれば不合格です


2020年度試験を踏まえた特別対策


2020年度試験の結果を踏まえ、2021年度に向けて特に注意すべきポイントをまとめます。


憲法の難化への対応
2020年度は憲法が難化しました。2021年度も同様の難易度が続く可能性が高いです。憲法の深い理解を目指して学習しつつ、憲法で失点しても行政法と記述式でカバーする戦略を立てましょう。


  • 判例は「結論の暗記」ではなく「論理の理解」を重視
  • 憲法に時間をかけすぎず、20点確保を目標に(満点は狙わない)
  • 難問は潔く捨てる勇気を持つ


改正民法への完全対応
2020年4月に施行された改正民法への対応が不十分だと、2021年度も苦労します。改正内容を完璧に理解しましょう。


  • 改正民法対応の教材を使用(古いテキストは使わない)
  • 改正の背景と趣旨まで理解する(条文の暗記だけでは不十分)
  • 特に債権法(契約、不法行為など)の改正内容を重点的に


多肢選択式の易化に油断しない
2020年度は多肢選択式が易しかったですが、これが恒常的とは限りません。基本知識と読解力の両面を鍛えることが重要です。


  • 憲法・行政法の基本用語を正確に暗記
  • 長文読解の訓練(文章理解の練習が多肢選択にも役立つ)
  • 過去問で出題パターンを把握


メンタル面の重要な心構え


行政書士試験は長期戦です。メンタル面の管理も、学習と同じくらい重要です。


「完璧主義」からの脱却
300点中180点(60%)で合格です。全ての問題を解ける必要はありません。「取れる問題を確実に取る」という戦略が重要です。


「捨て問」を見極める勇気
基礎法学2問、憲法の難問、商法の難問など、時間対効果の低い問題は潔く捨てる判断も必要です。2020年度試験でも、難問を飛ばして他で確実に得点した受験生が合格しています。


本番のリズムを守る
憲法で難問が続いても、「これは想定内」と割り切り、次の科目で立て直す冷静さが重要です。一つの科目の失敗を引きずらないメンタルコントロールを身につけましょう。


孤独な戦いからの脱却
独学は孤独です。不安や焦りを一人で抱え込むと、メンタルが崩れる原因になります。予備校を利用すれば、同じ目標を持つ仲間との交流や、講師への相談ができ、精神的な支えになります。


【2020年度】行政書士試験の総評


直前期の注意点


直前期(10月後半〜11月)の過ごし方が、合否を大きく左右します。


  • 新しい教材に手を出さない:直前期は新規知識のインプットより、既習事項の反復が効果的です。「あれもこれも」と手を広げず、今まで使ってきた教材を完璧にしましょう
  • 体調管理を最優先:11月の試験に向けて、10月後半から生活リズムを整えましょう。睡眠時間の確保、バランスの良い食事、適度な運動が重要です
  • 模試は点数より分析:模試は点数より、時間配分や苦手分野の確認に活用しましょう。点数が悪くても落ち込まず、弱点発見の機会と捉えてください
  • メンタルケア:不安は誰にでもあります。「自分はやるべきことをやった」と自信を持てるよう、計画的に学習を進めましょう
  • 試験会場の下見:可能であれば、試験会場の下見をしましょう。当日の移動時間や会場の雰囲気を事前に把握することで、不安が軽減されます


合格への3つの鉄則


2020年度行政書士試験は、憲法の難化により過去10年で最も低い合格率となった試験でした。しかし、行政法は標準的で、多肢選択式も易しかったため、「正しい基礎知識を持つ受験生が報われる試験」という側面もあります。


この結果が示すのは、「正しい方法で、正しい努力をした受験生が合格する」という当たり前の事実です。


鉄則1:行政法で稼ぐ
配点112点の最重要科目。2020年度は標準的だったため、高得点を狙いやすい科目です。過去問を徹底的に反復し、「なぜその答えになるのか」を理解する学習で、19問中15〜16問の正解を目指しましょう。
行政法は努力が最も報われる科目。ここで高得点を確保できれば、他科目で多少失点しても合格できます。


鉄則2:憲法の難化に備える
2020年度のような難化が続く可能性があります。判例の深い理解と、基本的な法律知識を完璧にしましょう。そして失点を他科目でカバーする戦略を持ちましょう。
憲法は満点を狙わず、難問は潔く捨て、確実に取れる問題を見極める力が重要です。


鉄則3:記述式を捨てない
60点の高配点。定型的な論点が中心なので、過去問学習をしていれば対応可能です。必ず3問全てに手をつけ、部分点を積み重ねる戦略が重要です。
記述式で40点以上確保できれば、択一式での多少の失点をカバーできます。白紙だけは絶対に避けましょう。


今この瞬間から始める合格への道


行政書士試験は、正しい方法で十分な時間をかければ、誰でも合格できる試験です。ただし、「過去問を何周もしたのに受からない」という落とし穴に注意してください。


大切なのは周回数ではなく、なぜその答えになるのかを理解することです。表面的な暗記ではなく、法律の論理を理解し、応用力を身につけることが合格への最短ルートです。


2020年度試験が示したのは、試験の質的変化です。単なる知識の確認ではなく、実務能力を測る試験へと進化しているのです。この変化に対応するには、体系的な理解と論理的思考力が不可欠です。


【確実に合格するために】


2020年度の憲法難化、民法改正への対応、記述式での論理的記述力。これらすべてに独学で対応するのは、決して不可能ではありませんが、大きな労力と時間を要します。
特に仕事や家事と両立しながら学習する社会人受験生にとって、限られた時間で効率的に合格レベルに到達するためには、予備校の体系的なカリキュラムと専門家の指導が大きな力になります。
「今年こそは確実に合格したい」と考えているなら、予備校利用も含めて、自分に最適な学習方法を真剣に検討してみてください。合格への投資は、決して無駄にはなりません。


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2021年度試験まで残り約11ヶ月。今日から、いえ今この瞬間から、正しい方法での学習をスタートさせましょう。2020年度試験の教訓を生かし、憲法の難化に備えた完全な対策をすれば、必ず合格を掴み取ることができます。


あなたの努力が、必ず報われることを心から願っています。そして、2021年度試験で、あなたが合格者の一人となることを確信しています。


頑張ってください。合格は、もう目の前です。


【2020年度】行政書士試験の総評