
行政書士試験の勉強を始めようと決めたとき、最初に悩むのが「どの通信講座を選ぶか?」という問題です。
現在、行政書士の通信講座は10社以上あり、価格も数万円から20万円超まで幅広く展開されています。

多くの受験生が「まずは費用を抑えて始めよう」と考えるのは自然なことです。
しかし、ここに大きな落とし穴が潜んでいます。
「安さ」で選んで失敗するパターン
通信講座選びは、単に教材を買うことではありません。「合格までの時間を短縮する環境」への投資なのです。
この記事では、主要10社を徹底比較し、失敗しない選び方の基準と、あなたに最適な講座を明確に提示します。

数多くの通信講座の中から、あなたに最適で、かつ合格に必要な品質を備えた講座を選ぶには、明確な判断基準が必要です。以下の3つの視点で講座を評価してください。
講座選びで最も重要なのは、講義の質です。
行政書士試験の核となる民法や行政法は、各法律の全体像を解説したうえで、各条文、各制度がその法の全システムになかでどのように働くのかという有機的なつながりを説明しなければ受講生は合格レベルには達しません。
ひとつひとつの条文、制度を個別に解説するような講義では決して本質的な理解はできないのです。
【チェックポイント】
特に重要なのは、法律資格指導の長年の実績です。これは講義の質の高さを裏付ける最大の根拠となります。実績のある講座は、毎年の試験傾向を分析し、合格に必要な知識を厳選して提供するノウハウを持っているからです。
行政書士試験の学習は長期戦です。途中で疑問や不安が生じたとき、それを解消できる環境がなければ、挫折のリスクが高まります。
【チェックポイント】
特に記述式問題では、自力で論理的な答案を構成する力が求められます。この力を養うための具体的な指導があるかどうかを必ず確認してください。
費用対効果は、単純な価格の安さではなく、「価格÷合格までの期間」で判断すべきです。
例えば、格安の講座で2年かけて合格するよりも、多少高額でも1年で確実に合格できる講座の方が、結果的に費用対効果は高くなります。2年目の受験料、教材費、そして何より失われる時間を考えれば、その差は明らかです。
【チェックポイント】
上記の3つの基準をもとに、主要な通信講座を目的別に比較します。あなたの状況に合わせて最適な講座を選んでください。
「伊藤塾
」:価格 約26万円(ただし、早割制度あり。詳細は公式ページをご確認ください)
司法試験などの法律資格指導で培った圧倒的な実績を持つ予備校です。
最初に各法律の全体像を示し、そこから各条文・各制度の有機的なつながりを段階的に解説していくという「伊藤メソッド」が各資格試験の講座で貫かれています。
記述式対策に不可欠な「論理的思考力」を養う講義は業界最高峰と言えます。
初学者が「法律家」としての基礎を築くのに最適な環境が整っています。
価格は高額ですが、1年での合格を目指す方に最適です。
「LEC」:価格 約27万円(ただし、早割制度あり。詳細は公式ページをご確認ください)
法律系資格予備校としては伊藤塾よりも歴史があります。
大手予備校の安心感があり、全国に校舎を展開しています。
模試の質が高く、伝統的な学習スタイルを好む方に向いています。
価格は高額で、1年コースを提供しています。
「TAC」:価格 約25万円(ただし、早割制度あり。詳細は公式ページをご確認ください)
大手資格学校ならではの豊富な教材と質問サポートが充実しています。
価格は中〜高価格帯で、1年コースを提供しています。
通学のイメージが強いですが、通信講座も堅実な内容です。
「スタディング」:価格 約4〜7万円(詳細は公式ページをご確認ください)
業界最安値クラスの講座です。スマホでの学習に特化しており、手軽に始められます。
ただし、紙のテキストや深い記述対策を求める方には物足りない可能性があります。
そして、法律初学者にとっては、逆に基礎知識の習得に時間がかかる可能性があります。
ある程度法律の知識がある方が、スキマ時間を利用して行政書士試験に特化した学習をするには適している講座といえます。
「フォーサイト」:価格 約7〜9万円(詳細は公式ページをご確認ください)
フルカラーテキストとeラーニングの使いやすさに定評があります。
視覚的に分かりやすい教材を好む方に最適です。
価格は低価格帯で1年コースを提供しています。
「資格の大原」:価格 約8万円(詳細は公式ページをご確認ください)
通学のイメージが強いですが、スマホで完結するスキマ時間利用を目的とした講座を提供しています。
そして、法律初学者にとっては、逆に基礎知識の習得に時間がかかる可能性があります。
価格は低価格帯で、1年コースを提供しています。
「アガルート」:価格 約17万円(ただし、期間限定割引あり。詳細は公式ページをご確認ください)
講義の質が高く、テキストの網羅性も優れています。
合格特典(全額返金など)が強力で、モチベーション維持にも効果的です。
価格設定は中〜高額で、1年での合格を目指すカリキュラムです。
ただし、講師のキャラクターが強く、合う合わないが分かれる場合があります。
「クレアール」:価格 約17万円(ただし、期間限定割引あり。詳細は公式ページをご確認ください)
「非常識合格法」を掲げ、合格に必要な範囲に徹底的に絞り込む方針です。
まさに非常識≠ネまでに絞り込んでいます。
学習時間を最小限にしたい社会人には人気があるでしょう。
価格は中価格帯で、1年コースを提供しています。
「資格スクエア」:価格 約17万円(詳細は公式ページをご確認ください)
脳科学×AIを駆使したカリキュラムが強みです。
AI「記述式」添削や、条文をリンクさせたデジタル教材など、テクノロジーを活用した効率学習が可能です。
低価格の短期集中講座から1年かけてじっくり進める通常講座など様々なコースがあります。
他にも「ユーキャン」など知名度の高い通信講座もありますが、行政書士試験に特化していない場合があるため、カリキュラムの内容を慎重に確認する必要があります。
伊藤塾は他の通信講座と比較して価格が高額です。
しかし、その価格の裏側には、「不合格コスト」をゼロにするための明確な価値が存在します。
行政書士試験で求められるのは、条文の正確な理解と応用力です。
具体的な事例を目の前にして、その法律全体の中で的確に条文、制度を選び、そして事案に当てはめる能力が求められます。
記述式問題だけでなく、択一式問題でもその能力は必要です。
単なる暗記では、本試験の応用問題に対応できません。
伊藤塾の講義は、専門用語を身近な事例に置き換え、「なぜその条文が必要なのか」という法律の思想まで深く解説します。
これにより、受講生は丸暗記に依存せず、応用が利く「生きた知識」を身につけることができます。
格安講座で知識が断片化し、翌年再受験することになれば、受験料、教材費、そして1年という時間が失われます。
この「不合格コスト」を考えれば、初年度合格を目指す伊藤塾の費用対効果は極めて高いと言えます。
さらに、定期的な模試とその緻密な解説講義を通じて、採点基準と合格答案の構成を深く理解する訓練を重ねます。この訓練こそが、本試験での得点力に直結するのです。
伊藤塾が長年培ってきた法律資格指導の実績は、他の通信講座にはない絶対的な強みです。
毎年の試験傾向を詳細に分析し、合格に必要な知識だけを厳選して提供するノウハウは、初学者が遠回りすることを防ぐ強力なナビゲーターとなります。この実績に裏付けられた指導力こそが、高額でも選ばれ続ける理由です。
通信講座選びの結論をまとめます。
「スタディング」や「フォーサイト」がおすすめです。
まずは行政書士試験の学習がどういうものか体験したい方に向いています。
「資格スクエア」や「クレアール」が選択肢になります。
テクノロジーを活用した学習スタイルに魅力を感じる方に適しています。
あなたの貴重な時間と情熱を、どの環境に投資するか。
「本気で合格したい」というその想いに応えてくれる講座を選んでください。