地方自治法は捨てるべき?行政書士試験の得点戦略と「ここだけ」対策範囲



「地方自治法は捨ててもいい?」多くの受験生が抱く疑問


行政書士試験の勉強を進めていると、誰もが一度は悩む科目があります。それが地方自治法です。


「条文が多すぎて覚えきれない…」
「出題数が少ないのに学習時間ばかりかかる…」
「いっそ捨ててしまおうか…」


行政書士試験の「地方自治法」は捨ててもいい?



そんな声が受験生から聞こえてきます。確かに地方自治法は、出題数がわずか3〜4問程度にもかかわらず、条文数が多く学習ボリュームが大きい科目です。時間対効果が悪いと感じるのも無理はありません。


しかし、ここで断言します。地方自治法は決して「捨ててはいけない」科目です。


実は、地方自治法は効率的な学習戦略を立てることで、最小限の努力で確実に得点できる「おいしい科目」に変わります。この記事では、地方自治法を得点源に変えるための具体的な戦略と、初学者が押さえるべき必須の対策範囲を解説します。


地方自治法を「捨ててはいけない」3つの理由


なぜ地方自治法を学習から外すべきではないのか。その理由は明確です。


行政書士試験の「地方自治法」は捨ててもいい?


理由@:基礎知識で解ける問題が多い


地方自治法の問題は、行政手続法や行政事件訴訟法のような高度な論理的思考や複雑な判例知識を必要とするものが比較的少ない傾向にあります。


むしろ、条文上の数字や制度の名称を正確に覚えていれば解ける「暗記型のサービス問題」が一定数出題されます。例えば、住民の直接請求権における署名数や請求期間など、知っていれば即答できる問題です。


つまり、難解な理論を理解する必要はなく、ポイントを押さえた暗記で確実に得点できるのが地方自治法の特徴なのです。


理由A:行政書士の実務に直結する


行政書士の主要な業務の一つが、地方公共団体への許認可申請です。都道府県や市町村に対して建設業許可や飲食店営業許可などの申請を行う際、地方公共団体の仕組みや権限を理解していることは不可欠です。


地方自治法は、その地方公共団体の組織構造や権限配分を定めており、実務家として知っておくべき必須の法律知識です。試験のためだけでなく、将来の実務のためにも学習する価値があります。


理由B:他の受験生に差をつけられるチャンス


多くの受験生が地方自治法を苦手とし、学習を最小限に抑えるか、あるいは諦めてしまいます。だからこそ、ここで確実に得点できれば、他の受験生に大きく差をつけることができます


行政書士試験は相対評価ではなく絶対評価ですが、ライバルが取れない問題を取れることは、合格ラインを安定させるための「保険」として非常に有効です。特に、あと数点で合格という場面では、この3〜4問が運命を分けることもあるのです。


効率的な得点戦略:学習を「3つの核」に集中させる


地方自治法の学習で最も重要なのは、すべての条文を網羅しようとしないことです。出題頻度の高い分野に絞り込み、そこを徹底的に押さえることで、効率的に得点力を高めることができます。


具体的には、以下の「3つの核」に集中して学習しましょう。


行政書士試験の「地方自治法」は捨ててもいい?


核@:地方公共団体の「仕組みと機関」


地方公共団体がどのような組織構造で運営されているかという基本的な理解は、地方自治法の土台となります。


押さえるべきポイント

  • 二元代表制:首長(知事や市長)と議会が、住民からそれぞれ直接選挙で選ばれる仕組み
  • 議会の権限:条例制定権、予算議決権、決算認定権など
  • 執行機関:首長、委員会(教育委員会、選挙管理委員会など)の権限と役割
  • 対立・抑制の関係:議会と首長間の不信任決議、専決処分などの関係性


特に、議会と首長の対立・抑制の関係は頻出テーマです。不信任決議が可決された場合の首長の選択肢(議会の解散か自らの辞職)、専決処分の要件と事後承認の手続きなど、具体的な数字と手続きを正確に覚えましょう。


行政書士試験の「地方自治法」は捨ててもいい?


核A:住民の直接請求権(最重要)


住民が地方自治に直接参加できる権利は、地方自治法の最大のハイライトであり、最も出題されやすい分野です。ここは絶対に落とせません。


4つの直接請求権

  • 条例の制定・改廃請求
  • 監査請求
  • 議会の解散請求
  • 解職請求(リコール)


これらの請求権について、以下の3点を正確に暗記することが得点の鍵です。


  • 誰に対して請求するか(請求先)
  • 何人の署名が必要か(必要署名数)
  • 請求できる期間はいつか(請求期間)


例えば、「条例の制定・改廃請求は有権者の50分の1以上の署名で首長に対して行う」といった具体的な数字と手続きを、確実に記憶しましょう。この数字の暗記こそが、地方自治法対策の要です。


行政書士試験の「地方自治法」は捨ててもいい?


核B:事務の種類と権限の分担


地方公共団体が行う事務は、「自治事務」「法定受託事務」の2種類に分類されます。この分類によって、国や都道府県との関係、そして訴訟における被告がどうなるかが変わってきます。


押さえるべきポイント

  • 自治事務:地方公共団体が自らの判断と責任で処理する事務
  • 法定受託事務:国や都道府県から法律で委託された事務
  • 国の関与:それぞれの事務に対する国の関与の程度の違い
  • 訴訟における被告:事務の種類によって被告が誰になるかの違い


特に、法定受託事務における国家賠償請求訴訟の被告は頻出テーマです。法定受託事務の場合、被告は国になるのか地方公共団体になるのか、正確に理解しておきましょう。


行政書士試験の「地方自治法」は捨ててもいい?


最小限の対策範囲と学習のコツ


対策範囲は「条文」と「基本判例」に絞る


地方自治法は、深遠な理論よりも「条文知識」が重要です。基本テキストと過去問で繰り返し問われている条文(特に数字、期間、手続き)に絞って暗記を徹底しましょう。


また、関連する基本判例(特に住民訴訟に関するもの)を補強することで、より確実な理解につながります。ただし、判例は基本的なものに限定し、深追いは禁物です。


予備校の教材でメリハリを効かせる


独学で地方自治法のすべてを読み込むのは、時間の浪費になりかねません。予備校の講義や教材は、出題頻度の低い枝葉の部分を大胆にカットし、上記で挙げた「3つの核」に学習を集中させています。


特に、伊藤塾をはじめとする大手予備校の講座は、長年の試験分析に基づいて作られており、最小限の労力で最大の効果を上げるために最適化されています。プロの指導を活用することで、効率的に得点力を高めることができます。


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行政書士試験の「地方自治法」は捨ててもいい?


住民訴訟は「行訴法」とセットで覚える


住民が地方公共団体に対して提起する住民訴訟は、行政事件訴訟法の知識も必要とする分野です。


住民訴訟には4つの類型があり、それぞれ訴訟の性質や要件が異なります。これらを学習する際は、行政事件訴訟法の知識(抗告訴訟、当事者訴訟など)と関連づけて理解することで、両科目の理解度が同時に高まります。


一見複雑に見える住民訴訟も、行訴法の枠組みの中で整理すれば、すっきりと理解できるようになります。


まとめ:地方自治法を「得点源」に変えよう


行政書士試験の「地方自治法」は捨ててもいい?


地方自治法は、決してすべての条文をマスターする必要はありません。「地方公共団体の仕組みと機関」「住民の直接請求権」「事務の種類と権限の分担」という3つの核に集中し、暗記型の問題を確実に得点する戦略をとりましょう。


多くの受験生が苦手意識を持つこの科目だからこそ、ポイントを押さえた効率的な学習で差をつけることができます。地方自治法対策を固めれば、行政法全体での得点率が安定し、合格への道が大きく開けます。


「捨て科目」として扱うのではなく、「短時間で確実に得点できるおいしい科目」として戦略的に攻略していきましょう。あなたの合格を決める3〜4問が、まさにここにあるかもしれません。