
行政書士試験で行政法を勉強していると、こんな悩みを抱えていませんか?
「条文は読んだのに、過去問が解けない…」
「判例がたくさんありすぎて、何から覚えればいいのか分からない…」
「似たような判例の違いが区別できない…」

実は、行政法で合格点を取るための最大の秘訣は、「判例の正しい学習法」を知ることです。行政法の問題の3〜4問は判例からの出題。つまり、判例対策を疎かにしていたら、行政法で合格レベルには達しません。
この記事では、なぜ行政法は判例が重要なのか、そして初学者でも効率的に判例知識を定着させるための過去問活用法を具体的に解説します。
行政法の条文は、民法などと比べて抽象的な規定が多いという特徴があります。たとえば、「処分」「原告適格」「裁量権の逸脱・濫用」といった概念は、条文を読んだだけでは具体的にどんなケースが該当するのか判断できません。
そこで重要になるのが判例です。判例は、実際に起きた具体的な事件について裁判所がどう判断したかを示すものですから、条文の抽象的な規定を「この場合はOK、この場合はNG」と明確にしてくれます。
【具体例】処分性の判断
行政事件訴訟法の条文には「処分の取消しの訴え」という言葉が出てきますが、何が「処分」に該当するかは条文だけでは分かりません。実際の試験では、「保育所の入所不承諾は処分性がある」(判例Yes)、「市町村立小中学校の転校処分は処分性がない」(判例No)といった具体的な判例知識が問われます。

行政には、状況に応じて柔軟に判断できる「裁量権」が認められています。しかし、その裁量権の行使が行き過ぎて違法になることもあります。
この「適法な裁量」と「違法な裁量の逸脱・濫用」の境界線を示しているのが判例です。試験では、この境界線を正確に理解しているかが繰り返し問われます。

判例対策というと、分厚い判例集を読むことをイメージするかもしれません。しかし、それは非効率です。最も効果的な方法は、過去問を「教材」として使うこと。ここでは、その具体的な3ステップをご紹介します。

判例学習で最もやってしまいがちな失敗は、判例の結論だけを丸暗記することです。
たとえば、「〇〇判例では処分性が認められた」と結論だけ覚えても、試験では応用が利きません。なぜなら、試験問題は「似ているけど微妙に違う事案」で判例知識を問うてくるからです。
正しい学習法は、以下の3点セットで理解することです:
過去問を解くときは、正解の選択肢も不正解の選択肢も、「この選択肢は〇〇という事案について、△△法に関する判例の判断だ」と説明できるレベルまで理解を深めてください。
行政法で特に厄介なのが、似たような状況なのに結論が異なる判例です。
【対比学習の例】
・公立小中学校の転校処分 → 処分性なし(抗告訴訟で争えない)
・市立保育所の入所拒否処分 → 処分性あり(抗告訴訟で争える)
一見似ている行政の決定なのに、なぜ結論が違うのか? その判断基準の違いを理解することが重要です。
このような「対立軸」の整理は独学では難しいため、図や表でまとめられた教材を使うか、予備校の講義で「試験で狙われるポイント」を教えてもらうのが効率的です。
判例は、必ず特定の法律の条文に関連しています。過去問で出てきた判例を判例六法(条文の下に関連判例が載っている六法)で確認する習慣をつけましょう。
これにより、判例知識が条文知識と結びついて体系的に整理され、記憶が定着しやすくなります。また、「この条文にはこういう重要判例がある」という全体像も見えてきます。
⇒「判例六法」

行政法の判例対策は、独学だけでは限界があります。伊藤塾のような予備校を活用すると、以下のようなメリットがあります。
判例は膨大に存在しますが、試験に出るのはごく一部です。予備校では、過去の出題傾向を分析し、「この判例は必須」「この判例は参考程度」と明確に区別して教えてくれます。これにより、無駄な学習時間を大幅にカットできます。
判例の事案は、登場人物や行政手続きの流れが複雑で、初学者には理解しづらいものが多くあります。予備校では、図やイラストで事案を視覚的に整理してくれるため、抽象的な判例も具体的にイメージしやすくなります。

行政法の記述式問題では、判例の「理由づけ」や「判断基準」を記述させる問題が出題されます。予備校の講義では、判例の結論だけでなく「規範(ルール)となる部分」を正確に抽出する訓練ができるため、記述式対策にも有効です。
行政法で合格点を確実に取るためには、判例の「事案」「結論」「理由」の3点セットを過去問を通じて正確に理解することが最重要です。
特に、似た判例の「対立軸」を整理できるかどうかが得点の分かれ目になります。独学に限界を感じたら、予備校の力を借りて効率的に学習を進めましょう。
判例対策をマスターすれば、行政法は必ず得点源にできます。まずは過去問を開いて、判例の「事案と理由」に注目しながら解き直してみてください。