民法「債権総論・各論」の膨大な範囲をどう攻める?行政書士試験合格レベルまでの勉強ステップ



債権を制する者が行政書士試験を制する


行政書士試験民法の「債権」傾向と対策


民法の学習において、「債権(さいけん)」は最大のボリュームを持ち、行政書士試験の出題の中心となる分野です。債権分野を攻略せずに合格はありえません。


債権は、物権の「モノに対する権利」とは異なり、「ヒトに対する権利」を扱います。つまり「特定の人に、特定の行為(給付)を請求できる権利」のことです。私たちが日常的に行う契約の多くは、この債権法によって成り立っています。


債権分野が重要な3つの理由

  • 出題比率が高い:択一式だけでなく、記述式問題でも民法のうち約半数がこの債権分野から出題される
  • 配点が大きい:民法全体の中で最もボリュームがあり、得点源にも失点源にもなる
  • 改正ポイントが集中:2020年4月施行の民法大改正の主要な変更点が債権分野に集中している


この記事では、ボリュームのある債権分野を、「債権総論」「債権各論」に分けて効率的に攻略するための学習法を解説します。最新の改正点に対応した知識で、確実に得点できる力を身につけましょう。


行政書士試験民法の「債権」傾向と対策


債権総論の攻略法:「債務不履行」を軸に体系を理解する


債権総論は、「債権全体に共通するルール」を学ぶ分野です。ここで扱う概念は債権法の基礎となり、理解しないと先に進めません。


債権総論の最重要テーマ:「債務不履行」


債権総論の核心は、「債務不履行(さいむふりこう)」です。債務者が契約通りに義務(債務)を果たさないことを指します。


なぜ債務不履行が重要なのでしょうか。債務不履行が発生したときに、債権者がどのような対応ができるのか、というルールを学ぶからです。損害賠償請求や契約の解除など、行政書士が実務でも使う最も基本的な法律知識がここに集約されています。


債務不履行の学習ポイント

  • 要件:どういう場合に債務不履行になるか
  • 効果:債権者は何ができるか(損害賠償、解除など)
  • 損害賠償の範囲:判例が頻出するため、具体的な事例で理解する


学習のコツは、「要件」と「効果」をセットで覚えることです。単に条文を暗記するのではなく、「こういう場合には、こういう請求ができる」というパターンで理解してください。


行政書士試験民法の「債権」傾向と対策


民法改正点の徹底対策


債権総論には、大改正で変更された重要テーマが多くあります。特に以下の点は、最新の予備校の教材で学習することが不可欠です。


  • 危険負担のルールの変更:債務者主義から債権者主義への転換
  • 契約の解除に関するルールの明確化:催告解除と無催告解除の要件
  • 法定利率の見直し:固定利率から変動利率への変更


独学で古いテキストを使っていると、この改正点に対応できず、失点に繋がります。2020年以降の最新情報で学習することが合格への近道です。


債権各論の攻略法:契約類型ごとのルールを事例で覚える


債権各論は、「個別の契約類型」ごとに異なるルールを学ぶ分野です。全ての契約を完璧に覚える必要はありません。行政書士試験では、頻出する主要な契約に学習を集中させることが効率的です。


試験で頻出する契約類型3選


1. 売買契約


契約の基本であり、最も重要な契約類型です。瑕疵担保責任(改正後は契約不適合責任)に関する論点が最頻出です。


買主が売主に何を請求できるか、以下の4つのパターンを整理してください。


  • 追完請求:不足分の引渡しや修補を求める
  • 代金減額請求:契約不適合の程度に応じて代金を減らす
  • 損害賠償請求:不履行によって生じた損害の賠償を求める
  • 契約の解除:契約そのものを解消する


2. 賃貸借契約


日常生活にも密接に関わるルールが問われます。敷金、修繕義務、原状回復義務など、実生活で経験のある内容が多いため、イメージしやすい分野です。


特に、不動産賃貸借に関する規定は重要です。借地借家法との関連も意識しながら学習してください。


3. 請負契約


仕事の完成を目的とする契約です。契約不適合責任の追及や報酬請求権の発生時期など、売買契約と比較しながら学習すると効率的です。


「完成」がポイントとなる契約なので、何をもって完成とするか、完成前に解除できるかなどの論点を押さえてください。


学習のコツ:「条文+事例」でパターン認識力を高める


債権各論は覚えることが多いと感じがちですが、それぞれの契約には典型的な事例があります。この事例パターンを押さえることが攻略の鍵です。


行政書士試験民法の「債権」傾向と対策


効果的な学習の進め方


インプット時:

条文を読んだら、「これは〇〇(契約タイプ)の事例だ」と当てはめ、登場人物(売主、買主、貸主、借主など)の権利と義務を明確にしてください。具体的なイメージを持つことで記憶に定着します。


アウトプット時:

過去問で問われた事例を分析し、どの契約類型に属し、どの条文(ルール)を適用すべきかを瞬時に判断する訓練を重ねてください。この反復練習が本番での得点力に直結します。


予備校で債権対策を確実にする理由


債権分野は、民法改正への対応と記述式対策が合否の鍵を握ります。独学でも合格は可能ですが、予備校を活用することで学習効率が大きく向上します。


行政書士試験民法の「債権」傾向と対策


最新の法改正に完全対応した講義


予備校の講座では、債権法大改正の全容を、初学者にも分かりやすいように整理し、「試験で問われる論点」に絞って解説してくれます。


独学で古い情報に惑わされるリスクを完全に排除でき、最新の法律に基づいた正確な知識を効率よく身につけられます。


記述式対策と連動した効率的な学習


記述式では、債務不履行や契約解除など、債権総論の論点を40字程度で正確に論述する能力が求められます。


予備校の講義では、択一式の知識を「記述の解答に変換できる形」でインプットするため、記述対策と択一対策を同時並行で効率よく進めることができます。別々に対策する必要がなく、学習時間を大幅に短縮できます。


複雑な事例問題の解法テクニック


物権と債権が絡み合う複雑な事例問題も、講師が提示する「解法の手順」に従えば、確実に正答を導き出せます。


この問題解決のロジックこそが、プロの予備校から得られる最大の価値です。独学では気づきにくい思考プロセスを学べることが、合格への最短ルートとなります。


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まとめ:債権法を得点源にするために


債権法はボリュームが大きいですが、闇雲に暗記する必要はありません。「債務不履行」という軸を理解し、「売買、賃貸借、請負」などの頻出契約類型に集中して学習すれば、行政書士試験の強力な得点源となります。


債権法攻略のポイント

  • 債権総論では「債務不履行」を中心に、要件と効果をセットで理解する
  • 債権各論では頻出3契約(売買・賃貸借・請負)を優先的に学習する
  • 2020年民法改正の内容を最新の教材で確実に押さえる
  • 条文と事例を結びつけて、パターン認識力を高める
  • 記述式対策を意識したインプットで学習効率を上げる


独学での改正点対応や記述対策に不安を感じる方は、予備校の力を借りることを検討してください。この最重要科目を確実なものにすることが、合格への最短ルートです。


債権法をマスターすれば、民法全体の理解が深まり、行政書士試験の合格が大きく近づきます。一歩一歩着実に学習を進めていきましょう。