

「法令科目は順調なのに、一般知識で足切りになったらどうしよう...」
「政治・経済・社会って、結局どこまで勉強すればいいんだろう…」

あなたは今、この疑問を抱えて不安を感じているかもしれません。範囲が広すぎて何から手をつければいいかわからない、時事問題はどう対策すればいいのか、そもそもこの科目にどれだけ時間を割くべきなのか―。
結論から言えば、政治・経済・社会に深入りすることは、合格を遠ざける最大の落とし穴です。
令和6年度の制度改正で「一般知識等」は「基礎知識」に再編され、業務関連法令が新設されました。この変更により、実は政治・経済・社会の学習優先度はさらに低くなったのです。この記事では、新制度における足切り回避の戦略を明確にし、政経社で「どこまで勉強すべきか」という線引きを具体的に解説します。
まず、新制度における基礎知識の全体像を確認しましょう。
基礎知識の構成(合計13問)
この13問のうち、6問以上(40%以上)を正解しなければ、法令科目でどれだけ高得点を取っても不合格となります。これが「足切り」のルールです。
多くの受験生が不安を感じるのは、この「40%」という数字です。しかし冷静に考えてください。13問中6問正解すればよいのです。つまり、7問は間違えても合格できるのです。
新制度における各分野の特性を比較してみましょう。
| 分野 | 問題数 | 対策時間 | 得点の安定性 |
|---|---|---|---|
| 業務関連法令 | 3〜4問 | 小(条文暗記) | 極めて高い |
| 情報・個人情報保護法 | 2〜3問 | 小(法令暗記) | 極めて高い |
| 文章理解 | 3問 | 中(技術習得) | 高い |
| 政治・経済・社会 | 3〜5問 | 大(範囲無限) | 低い |
この表が示す事実は明確です。業務関連法令、情報・個人情報保護法、文章理解の3分野だけで、理論上は10問程度を確保できるのです。つまり、これらの分野を完璧にすれば、政治・経済・社会で全滅しても足切りを回避できる計算になります。
政治・経済・社会の恐ろしさは、「ここまでやれば安心」という終わりが見えない点にあります。
憲法の統治機構、経済指標、国際機関、社会保障制度、環境問題、時事問題…。一つの論点を深掘りすれば、それに関連する周辺知識が次々と浮上してきます。「この知識も必要かもしれない」という不安に駆られて参考書を広げ続ければ、あっという間に数十時間が消費されます。
その時間を民法や行政法に投入していれば、確実に10点、20点の得点アップが実現できたはずです。
政治・経済・社会は、他の法令科目と決定的に異なる特徴があります。それは、出題傾向が流動的で予測困難という点です。
今年話題になった社会問題が出題されるかもしれませんし、10年前の過去問とほぼ同じテーマが再出題されるかもしれません。時間をかけて準備した分野が全く出題されず、全く対策していなかった分野から3問出題されることも珍しくありません。
これは、努力が報われにくい科目であることを意味します。
では、どうすべきか。答えはシンプルです。
足切り回避の基本戦略
この配分であれば、政治・経済・社会で1〜2問しか正解できなくても、合計で8〜10問程度を確保できます。これは足切りラインの6問を大きく上回る安全圏です。
重要なのは、政治・経済・社会を「主役」ではなく「補完」として位置づけることです。この科目に過度な時間を投入することは、法令科目での得点機会を失う行為に他なりません。
「じゃあ政治・経済・社会は全く勉強しなくていいの?」という疑問を持つかもしれません。答えは「No」です。最小限の学習で2〜3問を確保する戦略は存在します。
政治分野は、憲法の統治機構と重複する部分が多いため、憲法の学習と並行して知識を定着させることができます。
具体的な学習ポイント
これらは憲法の学習で既に触れている内容です。新たに時間を割くのではなく、憲法の知識を「政治問題にも使える形」で整理し直すだけで対応できます。

高度な経済理論は不要です。日常的にニュースで耳にする基本用語の定義を理解していれば、十分に対応できます。
最優先で押さえるべき用語
これらの用語は、選択肢の言い換え問題として頻出します。「金融緩和」という言葉を「中央銀行による市場への資金供給」と言い換えられる程度の理解があれば、正解を選べます。
社会分野は範囲が広いため、行政書士の実務に関連する制度と頻出の現代課題に学習を限定します。
実務関連の必須知識:
現代課題の頻出テーマ:
これらの知識は、業務関連法令の学習とも連動します。社会分野の学習が、そのまま別の科目での得点に繋がる可能性があるため、効率的です。

政治・経済・社会で最も危険なのは、「不安だから」という理由で学習範囲を際限なく広げることです。
学習範囲の明確な線引き
学習対象を以下の2つの条件を両方とも満たす知識に限定します
この交差点にない知識は、原則として学習対象から除外します。「もしかしたら出るかもしれない」という曖昧な不安に駆られて範囲を広げることは、合格を遠ざける行為です。

「時事問題はどう対策すればいいですか?」という質問をよく受けますが、答えは明確です。
時事問題対策は、過去に出題された論点の最新情報を確認するだけで十分です。
例えば、5年前に国連の組織に関する問題が出題されていたら、その組織の現在の状況を確認する程度に留めます。全く新しいニューストピックを網羅的に追いかける必要はありません。
政治・経済・社会は、独学で「何を捨てるべきか」を判断するのが最も難しい科目です。プロの指導を活用することで、この判断を正確に行えます。
伊藤塾のような信頼できる予備校の講座は、過去問分析に基づいて出題可能性の低い知識を大胆にカットしています。
それも、最新のデータに基づいて、次の試験の出題可能性が高いテーマを厳選しています。
例えば、歴史的な学説の詳細、マイナーな統計データ、一度しか出題されていない特殊な論点などは、教材から除外されています。この「プロの線引き」を信頼し、教材に載っていない知識は思い切って学習対象から外すことが、時間の節約に繋がります。
もう一つの大きなメリットは、政治・経済・社会の知識を法令科目とどう連動させるかという視点を講師から学べることです。
例えば、憲法で学ぶ「条約の締結権」と、政治分野で出題される「国際機関の役割」は、実は密接に関連しています。この連動性を理解すれば、少ない労力で複数科目の対策を同時に行えるのです。
最後に、この記事で解説した戦略を実践に移すための具体的なアクションをまとめます。
今日から始める3つのアクション
政治・経済・社会は、基礎知識の「主役」ではありません。
この科目に深入りすることは、法令科目での得点機会を失い、合格を遠ざける行為です。安定した得点源である業務関連法令、情報・個人情報保護法、文章理解で確実に点数を積み上げ、政治・経済・社会は「2〜3問取れれば御の字」という割り切った姿勢で臨んでください。
この戦略こそが、新制度における足切り回避と最終合格への最短ルートなのです。