行政書士試験の科目別対策

行政書士試験の科目別対策



行政書士試験の合格は、民法と行政法で決まる


試験の全体像を把握し、学習環境を整えたあなたが次に向き合うべきは、行政書士試験の核心となる専門科目です。


行政書士試験の配点構造を見ると、民法と行政法を中心とする法令科目が全体の約8割を占めています。つまり、この2科目をいかに効率的に、そして深く理解できるかが、あなたの合格を左右するのです。


さらに、知識を身につけるだけでは不十分です。記述式や多肢選択式といった特殊な出題形式に対応できる実践力を養わなければ、本試験で得点を積み重ねることはできません。


このカテゴリーでは、初学者が最もつまずきやすい主要法令科目の攻略法と、特殊な出題形式への戦略を、具体的かつ実践的な視点から解説していきます。


(カ)行政書士試験科目別対策


民法は「敵」ではなく「武器」になる


民法は、すべての法律を理解するための「共通言語」であり、法的思考力を養う唯一の科目です。この抽象度の高い科目をいかに効率よく攻略するかが、あなたの学習全体のスピードと質を左右します。


民法が持つ戦略的な重要性


民法を理解していなければ、行政法の「権利救済」や「国家賠償」といった重要概念を深く理解することはできません。膨大な条文を丸暗記することではなく、条文の背後にある「制度趣旨」、つまり「なぜこのルールが存在するのか」という本質を理解することが最優先です。


この本質理解こそが、多肢選択式や記述式で問われる応用力の土台となります。表面的な暗記では対応できない問題でも、制度趣旨を理解していれば正解にたどり着けるのです。


民法攻略のポイント

  • 条文の丸暗記ではなく、制度趣旨の理解を優先する
  • 「なぜこのルールがあるのか」を常に問いながら学習する
  • 民法の理解が行政法の理解を加速させる
  • 多肢選択式・記述式の応用力は本質理解から生まれる


民法の壁を突破する学習法


多くの初学者が民法で挫折する理由は、学習の順番と方法を間違えているからです。効率的な学習法を身につければ、民法は決して「難敵」ではなく、あなたの合格を支える「強力な武器」に変わります。


⇒「民法が難しい理由は?行政書士試験で挫折しない学習順序とコツ


行政法を得点源に変える戦略


行政法は、行政書士の実務に最も直結し、かつ配点が最大の科目です。この科目を得点源に変えるための鍵は、その特性を正しく理解することにあります。


行政法の学習特性を理解する


行政法は、民法の基礎を理解していれば、手続きや判例の知識を正確に積み重ねることで、得点に直結しやすい非常に安定した科目です。民法のような抽象的な理解よりも、具体的な手続きと判例の正確な知識が問われるため、学習の成果が点数に反映されやすいという特徴があります。


攻略の鍵は、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法という主要な法令を、「国民が行政に対してどう対抗するか」という明確な視点を持って学習することです。この視点があれば、個別の条文や判例が「なぜ存在するのか」が理解でき、知識が体系的に整理されます。


行政法を得点源にするポイント

  • 民法の基礎理解が行政法の理解を加速させる
  • 手続きと判例の正確な知識が点数に直結する
  • 「国民vs行政」の視点で体系的に理解する
  • 学習の成果が点数に反映されやすい安定科目


行政法を最速で得点源にする方法


行政法は正しい学習法を実践すれば、確実に得点を積み重ねられる科目です。初学者が効率的に行政法を攻略するための具体的な方法を解説します。


⇒「行政法の全体像をサクッと理解!行政書士試験・初学者向けの効率的暗記法


特殊な出題形式を攻略する


主要な法令科目の知識を身につけても、本試験の特殊な出題形式に対応できなければ、合格点には届きません。知識をいかに本試験の形式に合わせてアウトプットできるか、そして足切りリスクを回避できるかが、合否を分けます。


記述式問題(民法・行政法)の対策


記述式問題は、総得点180点のラインを確実に超えるための決定的な得点源です。この形式は、「知識量」ではなく「法的思考力」を試します。


単に知識を暗記するだけでなく、「論点を特定し、40字程度で法律要件と効果を論理的に構成する」訓練が必要です。この形式には「解答の型」が存在し、その型を習得することが成功の鍵となります。


記述式攻略のポイント

  • 知識量よりも法的思考力が問われる
  • 論点の特定能力を磨く
  • 40字程度で要件と効果を論理的に構成する
  • 解答の型を習得し、繰り返し訓練する


多肢選択式問題の対策


多肢選択式は、長文の判例や重要条文の空欄補充が出題されます。正確な知識に加え、長文を読む集中力と文脈を理解する力が求められます。


この形式で得点するには、日頃から判例の原文に触れる学習、あるいはプロの講義で判例の背景を理解する学習が不可欠です。断片的な知識だけでは、文脈に合う適切な語句を選ぶことはできません。


多肢選択式攻略のポイント

  • 判例の原文に触れる学習を日常化する
  • 判例の背景と趣旨を理解する
  • 長文を読む集中力を養う
  • 文脈から適切な語句を選ぶ訓練をする


一般知識等科目の足切り対策


法令科目の知識が完璧でも、一般知識等科目で基準点(足切りライン)を下回ると不合格となります。どれだけ法令科目で高得点を取っても、この科目で足切りになれば、すべての努力が水の泡になってしまいます。


特に、文章理解は得点源となりやすい一方で、政治・経済・社会は範囲が広大です。この科目は、法令科目の学習が安定した後の後期に、「足切り回避」を目的として、効率的に絞り込んで対策する戦略が必要です。


一般知識等科目の戦略

  • 法令科目が安定してから後期に対策する
  • 「満点を取る」ではなく「足切り回避」が目的
  • 文章理解を確実な得点源にする
  • 政治・経済・社会は範囲を絞り込んで効率化する


専門科目を制する者が、行政書士試験を制する


行政書士試験の合格は、民法と行政法という2大科目をいかに攻略するかにかかっています。そして、その知識を特殊な出題形式に対応させる実践力を養うことが、合格への最短ルートです。


民法で法的思考力の土台を築き、行政法で確実な得点源を確立し、特殊な出題形式に対応する訓練を積む。この3つの要素をバランスよく学習することで、あなたの合格はぐっと近づきます。


次のステップでは、各科目の具体的な学習法と、本試験で確実に得点する技術を、さらに深く解説していきます。