士業の営業方法
仕事の依頼は電話から
ネットショッピングが当たり前になった現代では、日用品の購入や美容院の予約などはインターネット上で済ませるのが一般的になってきています。
ですが、士業への仕事の依頼は「電話」からです。
ホームページに直接仕事の依頼をする一般客はほとんどいません。
一般人にとって弁護士などの士業は縁遠い存在です。
交通事故の被害に遭うなど、予期しなかったトラブルに巻き込まれたような場合に初めて仕事を依頼することになるのです。
当然のことながら気軽に仕事を依頼することなどありません。
ホームページなどを参照して仕事を依頼すべき士業を慎重に選んだ上で、最終的には「電話」で仕事(あるいはその前段階の相談)の依頼をするのです。
つまり、士業にとって最も重要な営業ツールは現代でもなお「電話」なのです。
それ以外の営業ツールは、見込み客を「電話」に誘導するための手段にすぎません。
電話こそが士業の最重要の営業ツール
まずはこのことをしっかりと認識してください。
好感(対面営業)から信用(ホームページ)へ
仕事は電話を通して依頼されます。
そこで、とにかく見込み客を電話に誘導しなければいけません。
そのための営業活動の第1歩はやはり対面のアナログ営業です。
セミナー、相談会、交流会などなど、直接多くの人に会い自分の存在をアピールして人脈を広げ、見込み客に接触します。出会った全ての人に名刺を渡して、あなたの存在を形として残します。
ここで、あなたが相手に好印象≠与えることができれば、第1歩目としては成功です。
相手の方々は多少なりともあなたに興味を抱いてくれるはずです。
ですが、興味を抱いたからといって、それで士業としてのあなたを信用したわけではありません。
「人」として好感をもったとしても、「士業」としての能力が高いかどうかはわからないからです。当然のことですが。
そこで、次のステップとして重要なのがホームページです。
直接あなたに会って好印象を抱いた見込み客が、あなたへの仕事の依頼を検討する際には、必ずその見込み客はインターネットを使ってあなたの士業事務所のホームページを確認します。
ホームページであなたの士業としての実績、経験を確認するのです。
しかし、ここで内容の乏しいホームページであったり、あるいはそもそもホームページがなかったりしたら、その見込み客は士業≠ニしてのあなたを信用することはありません。
せっかくアナログ営業で好印象を与えることができたのに、仕事につながるチャンスを失ってしまうのです。
ですので、あなたの士業としての能力の高さを十分にアピールできる充実したホームページを必ず用意しておかなければいけません。
充実したホームページで信用≠得ることができれば、見込み客は電話をかけてきます。
この段階まで来て、ようやく足を使った営業活動が実を結ぶのです。
名刺、フェイスブックでホームページに橋渡し
対面営業で見込み客に好印象を与えることでホームページに誘導するのが営業の基本ですが、その間の橋渡し役として重要なツールが名刺とフェイスブックです。
無料相談会などで見込み客があなたの話を熱心に聞き、あなたに強い関心を抱いたとしても、あなたの名前や事務所の場所などをその場で正確に記憶することはありません。
すぐに忘れてしまいます。
そこで、対面営業の際に必ず使うのが名刺です。
もちろん、対面営業で名刺を渡さない士業はいません。
ですが、その名刺の作り方によって、ホームページに誘導できる可能性は大きく変わってきます。
見込み客の記憶に残り、そしてスムーズにホームページに誘導できるような、効果的な名刺を作らなければなりません。
また、現代のビジネスマンにとってはフェイスブックがインターネット上の名刺となっています。士業にとっても同様です。フェイスブックを上手く作ることで人脈を広げ、顧客を獲得することが可能となります。
ネット上から集客するための営業ツール活用法
ホームページの活用
アナログ営業で知り合った見込み客を電話に誘導するためにホームページが不可欠であることは上述した通りです。
しかし、ホームページにはもう一つ、重要な役割があります。
それはネット上から直接見込み客を電話に誘導することです。
ホームページはその性質上作り立ての時期には検索サイトに上位表示されません。
しかし、じっくりと質の高いコンテンツを積み上げていくと、やがてそのホームページは検索サイトで上位表示されるようになります。
例えばグーグルで「不倫慰謝料請求 弁護士 東京」というワードで検索すると、不倫慰謝料請求について充実したホームページを作成している東京の弁護士事務所のホームページが上位表示されます。
不倫慰謝料請求の仕事を依頼すべき東京の弁護士をネット上で探している見込み客は、検索結果で上位表示されているホームページの中から仕事を依頼すべき弁護士を選びます。
つまり、実際会ったことのない(人≠ニしての印象を抱いていない)弁護士に対して、ホームページ上から伝わってくる士業としてのスキルの高さだけを信用して、仕事を依頼するのです。
ホームページが上位表示されるようになれば、ネット上から直接見込み客を獲得できるようになります。この状態を作り出せればあなたの事務所の経営は安定期に入ります。
ブログで大量のアクセスを呼び込む
デジタル営業の基本ツールはもちろんホームページです。
ホームページには、その士業の基本的な情報がまとめられています。
見込み客はこのホームページの全体を見ることで、その士業が信頼できるかどうかを判断します。
ですが、ホームページだけではネット上から十分に見込み客を集めることはできません。
ホームページの記事数はその性質上限られてしまいます。そのため集客できる検索ワードも限定されてしまうからです。
そこで、稼いでいる士業は膨大な検索ワードから集客するためにブログを書いています。
ブログは体系をさほど気にすることなく更新し続けることができるツールです。そのため、士業の見込み客が打ち込みそうな検索ワードを含んだ記事を継続的に大量にアップし続けることによって膨大な見込み客をブログに引っ張ってくることができるのです。
そして、そのブログからホームページに、そして電話へ、と見込み客を大量に獲得することが可能となるのです。
検索サイトからホームページに誘導
検索サイト「Google」からアクセスを呼び込めるようにSEO対策に力を注がなければいけないことは当然です。
ですが、近年、士業専門の検索サイトが登場しています。
このサイトに登録することで、士業検索サイト経由でホームページに見込み客を誘導することが楽にできます。
士業専門検索サイトの利用も決して忘れてはいけません。
チラシを使って将来の見込み客を獲得
江戸時代から使われてきた古典的営業ツールであるチラシ。
インターネット営業が隆盛を極める現代社会においても、チラシが消えることはありません。
それは、インターネット営業では生まれない効果がチラシにはあるからです。
インターネット営業にはできなくてチラシ営業ならできること。
それは、まだ問題に直面していない将来の見込み客に対して自分の存在をアピールできることです。
例えばあなたがある住宅街に相続手続きに関するチラシを配り続けるとします。定期的に配り続けることによって、その地域の住民に士業であるあなたの存在が刷り込まれていきます。
すると、その住民の家族が亡くなり相続手続きをする必要が生じた場合、真っ先にチラシで刷り込まれていたあなたのことを思い出してくれるのです。
インターネット営業では見込み客からのアクセスを待たなければいけませんが、チラシ営業は将来の見込み客に対して事前に士業のほうからアクセスすることができます。
ここに、現代のネット社会においてもチラシが消滅しない理由があるのです。